第55回日本定位・機能神経外科学会 2015年1月22・23日 宮城・江陽グランドホテル

ご挨拶

冨永悌二

第55回日本定位・機能神経外科学会
会長 冨永 悌二
東北大学大学院医学系研究科 神経外科学分野

 

第55回日本定位・機能神経外科学会を、2016年(平成28年)1月22日、23日に宮城県仙台市 江陽グランドホテルにて開催させていただきますこと、大変光栄に存じます。

前回当教室が本学会を開催させていただいたのは、1974年の第13回日本定位脳手術研究会にさかのぼります。当時の抄録集をひもといてみると、演題数は26演題と現在と比べると少ないものの、定位脳手術装置の開発から術中微小電位記録や術中電気刺激による電気生理学的検討、定位脳手術の臨床的評価、実験動物による神経線維連絡の研究など多岐にわたります。どの演題も深い解剖学的・生理学的知識に裏付けられている点が大変印象的で、丁寧に知見と洞察を積み重ねて高みを目指そうという気概が滲み出ています。このようにして先人達が積み重ねてきた高い山を中心に、裾野が更に広がっていく様をイメージし、今回の学会のテーマは「拓けゆく機能神経外科の地平」としました。360度広がる地平の中には、医工学の進歩が新たな裾野を切り開いていく局面もあれば、疼痛制御や神経機能回復など他領域と大きく交わっているところ、精神疾患への応用のように先がまだ十分見通せない道もあります。本大会では、医工学研究者や他科医師を招いてのシンポジウムや、精神疾患への機能神経外科的治療の現状に関する特別企画を予定しており、これらを通じて今後の機能神経外科の新たな地平の開拓につながる機会となれば幸いです。

2016年は東日本大震災から5年目の節目の年となります。学会の前月となる2015年12月に地下鉄東西線が開通予定であるなど、復興とともに徐々に拓かれていく仙台の様子も感じていただけるかと思います。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。