ご挨拶

第63回日本定位・機能神経外科学会

会長 三國 信啓

(札幌医科大学 医学部脳神経外科学講座)

三國 信啓

2024 年 2月 2日(金)~ 2月 3日(土)の 2日間、ニューオータニイン札幌におきまして第63回日本定位・機能神経外科学会を開催させていただくことになりました札幌医科大学脳神経外科の三國 信啓です。長い伝統のある本学会を初めて本校で開催担当させていただくこととなり、大変光栄に存じております。実りある学会にするべく江夏 怜副会長を筆頭にスタッフ一丸となって取り組む所存です。

私が代表を務めます札幌医科大学脳機能センターは、脳神経内科学講座、神経科学講座、リハビリテーション医学講座、小児科学講座、脳神経外科学講座、精神神経科学講座などの複数講座合同で2012年に開設されました。パーキンソン病などの不随意運動症、てんかんなどの機能疾患や脳機能部位の脳腫瘍に対する包括的治療やリハビリテーション医療を提供しています。当施設での定位・機能神経外科は2012年にパーキンソン病に対して施行した視床下核の脳深部刺激療法から始まりました。以降、パーキンソン病の市民公開講座などを行いつつ順調に症例を増やしております。北海道は人口のわりに専門施設が少なく、広域分散、長期降雪期の中でアクセスが深刻な問題です。北海道での定位・機能神経外科の火を途絶えさせぬように今後も尽力してまいります。

さて、本学会のテーマは「はっしん」です。この「はっしん」には3つの意味があります。まずは、知の「発信」です。定位・機能神経外科は脳科学の進歩とともに発展してきており、基礎研究や臨床技術の革新が進んでいます。このような新たに創生された知を発信できる場になるようにとの思いを込めました。2つめは若手の「発進」です。次世代の定位・機能神経外科を担う医師の養成は本学会のかかえる大きな課題の一つです。この学会で若手の先生たちが定位・機能神経外科の魅力を知って、この道に「発進」してくれるようにしたいという意味です。3つめは脳活動の「発振」です。近年、脳深部から記録されるlocal field potentialや脳皮質の高ガンマ波活動など脳の発振現象は大きな注目を受けています。このような脳信号解析の手法に光を当てたいと思います。

学会開催後には世界三大雪まつりの一つ「さっぽろ雪まつり」が始まります。是非札幌にお越しいただき、新しい知識の探究とともに、北海道の美しい景色と美味しい食べ物、そして会終了後の週末は雪まつりをご堪能していただけたらと思います。多くの皆様の参加を心よりお待ちしております。

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