第44回日本骨代謝学会学術集会
会長 井上 大輔(いのうえ だいすけ)
(帝京大学ちば総合医療センター 病院長 第三内科学講座 主任教授)
このたび、第44回日本骨代謝学会学術集会を、2026年7月2日(木)〜7月4日(土)の3日間にわたり、千葉県・ホテルオークラ東京ベイにて開催する運びとなりました。日本骨代謝学会は長年にわたり我が国の骨ミネラル代謝研究を牽引してきた歴史と実績を誇る学会です。このたび初めて千葉県で本学術集会を主催させていただくこととなり、大変光栄に存じます。
本会のテーマは「多様性の中で骨代謝を考える: Bone and mineral metabolism in the diverse world」といたしました。多様性が尊重される現代社会において、医学の世界でも個々の違いや背景に着目した多様なアプローチがますます重要となってきています。骨代謝領域においても、人種、性別、年齢、疾患の頻度や治療法など、あらゆる側面で多様性が存在し、臨床・研究の現場は複雑化の一途をたどっています。
長い骨代謝研究の歴史の中で、骨は単なる支持組織ではなく、破骨細胞・骨芽細胞・骨細胞・血管内皮細胞などの精緻な細胞ネットワークによって構築される代謝臓器であることが明らかになりました。さらに、骨は生理活性物質を分泌する内分泌臓器であり、他臓器からの様々なインプットを受けながら、カルシウムやリンなどのミネラル恒常性とともに、自らの量や質も巧みに維持しています。脊椎動物において最大の臓器の一つである骨格系は、内分泌系・神経系・免疫系と並び、全身の恒常性を維持する“司令塔”の一つであると言っても過言ではありません。日本骨代謝学会はこのように目まぐるしく展開する骨代謝学の発展の中で、常に革新的かつ精力的な骨代謝研究を支え続けて来ました。
このような基礎研究の発展に支えられ、骨粗鬆症や骨系統疾患、さらには希少疾患に対する治療は飛躍的に進歩してまいりました。本学術集会では「多様性」というキーワードを軸に、さまざまな視点から骨・ミネラル代謝に対する理解を深め、次世代に向けた新たな知見の共有と発展の場にしたいと考えております。
会場となるホテルオークラ東京ベイは、東京ディズニーリゾート・オフィシャルホテルのひとつです。「東京」と名乗りながらディズニーリゾートが千葉県に位置することはよく知られた事実ですが、今回はその特性を活かし、ディズニーの世界観を感じられる開放的な環境の中で骨のある議論を重ねられるような、充実した学会を目指しております。
多くの皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げております。
© 2025 The 44th Annual Meeting of the Japanese Society for Bone and Mineral Research