第67回九州リウマチ学会

会長挨拶

松尾孝之

第67回九州リウマチ学会

会長 日髙 利彦

社会医療法人善仁会 宮崎善仁会病院 リウマチセンター 所長

この度、第67回九州リウマチ学会を 2024年3月2日(土)・3日(日)の2日間、宮崎市民プラザにおいて開催させていただくことになりました。伝統ある本学会を担当させていただき大変光栄に存じております。開催形式は、現地開催+ライブ配信のハイブリッドを予定しております。

今回の学会テーマは、「深謀遠慮」としました。深謀遠慮とは「深く考えを巡らし、のちのちの遠い先のことまで見通した周到綿密な計画を立てる」と言う意味です。関節リウマチを始めとしてリウマチ・膠原病に対する治療薬や治療戦略の進歩には目を見張るものがあります。その一方で、Difficult to treat RA、高齢化問題や治療困難症例の存在など多くの問題点が残されています。病気を診断し、治療を開始する際に、先々を見据えて治療を開始し、その途中で起こる様々な事象を予測しつつ、それらの障害を乗り越えていけるように、あらかじめ計画を立てて治療していくことで、多くの症例でこのような問題点をクリアできる部分も少なくないのではないかと思います。それには、医師だけではなく、医療スタッフとの連携によるチーム医療も考慮に入れていく必要があります。

今回の主題ではこのようなテーマも考慮に入れて、様々な病態に対しての将来を見据えた治療戦略などについて議論を行いたいと思います。

  • 主題I. ライフイベントを見据えた治療戦略
  • 主題II. 膠原病リウマチ性疾患の精密医療の実現
  • 主題III. 患者さんの将来を見据えた関節温存手術とこれからの展望
  • 主題IV. リウマチ・膠原病の治療ゴールを見据えた多職種による治療の工夫

主題Iのライフイベントを見据えた治療戦略では10演題が集まり、様々なリウマチ性疾患に対する妊娠・出産・高齢化などのライフイベントを考慮に入れた様々な状況を踏まえた治療について発表いただきます。主題IIの膠原病リウマチ性疾患の精密医療の実現では12演題が集まり、様々な膠原病・リウマチ性疾患の患者さんの将来を見据えての計画的治療戦略について発表いただきます。薬物治療の進歩により関節リウマチ患者さんの外科療法への要望も変化しています。主題IIIの患者さんの将来を見据えた関節温存手術とこれからの展望では5演題が集まり、現在の整形外科的治療戦略について発表いただきます。最適化医療の発見の鍵はチーム医療にあります。主題IVでは、リウマチ・膠原病の治療ゴールを見据えた多職種による治療の工夫とさせていただき6演題を発表いただきます。これら以外にも今回のテーマに相応しい多くの一般演題として55演題いただきました。また、初期研修医セッションでは9演題を応募いただきました。その中から初期研修医優秀賞と指導医賞を選出いたします。おかげさまでトータル97演題の登録をいただきました。誠にありがとうございます。

今回の学会の特別講演は、順天堂大学の髙崎芳成先生にご講演いただきます。
膠原病・リウマチ診療のレジェンドの一人である髙崎先生に「関節リウマチと自己抗体」というタイトルでご講演いただきます。

COVID-19が5類へ移行しましたが、まだまだ医療機関の負担は残存し、今後、本当に収束していくのかどうかも、まだ予測できません。しかしながら、これらの困難を乗り越え、3月に現地にて皆様にお会いできる事を楽しみにしています。
十分な感染対策を講じた上での開催にはなりますが、多くの皆様のご参加と活発な討論で学会を盛り上げていただくことをお願い申し上げます。

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