会長挨拶

第68回日本老年医学会学術集会
会長 新村 健
(兵庫医科大学 総合診療内科学 主任教授)
この度、「第68回日本老年医学会学術集会」を2026年6月11日(木)12日(金)13日(土)の3日間、神戸国際会議場および神戸ポートピアホテルで開催させて頂くこととなりました。本会は高齢者診療の最前線に立つ「老年科医」と高齢者診療に興味を持つ様々な分野の医師、コメディカルらが全国より一堂に会し、本邦における老年医学の道筋を形づくっていく学術集会です。
今回の学術集会のメインテーマは“Geriatrics and Gerontology for everyone, for the future”としました。私は内科全体の研修終了後、老年内科に入局しましたが、循環器学やAging Scienceに魅力を感じ、それらの研究に力を注いできました。慶應義塾大学老年内科の解散後は、循環器内科に異動し、現在は縁あって兵庫医科大学総合診療内科で働いています。このような経歴であるからこそ、老年医学の魅力も課題も痛切に感じてきました。私は老年医学、老年学は、専門家が狭い部屋で議論するものではなく、国民を含む多くの関係者に知られ、認められ、支えられて発展していくべき学問と考えております。また、老年医学、老年学の発展は、日本と世界の未来を変えることができるだけの影響力を持つと確信しています。このような思いをメインテーマに込めて、参加いただく皆様には、老年医学・老年学の楽しさと神戸の魅力をご堪能いただけるように、しっかりと準備を進めていく所存です。
この学術集会では極めて幅広い領域を扱い、社会学、老年学や基礎老化学に関する企画も多く用意してまいります。とりわけ私は老年医学の発展には、Aging Scienceの推進とそのtranslational researchが重要と感じていますので、その領域の第一線の研究者方に発表いただくように企画しております。さらに高齢者医療の課題である救急医療、地域医療、健康増進、感染症対策、医工連携などに関する意欲的なプログラムが目白押しです。
末筆ではございますが、皆様のますますのご発展を心より祈念申し上げますとともに、今後の皆様との連携を、心より楽しみにお待ち申し上げます。