お知らせ

2025.08.06
HPを公開しました

会長挨拶

健康長寿のためのデジタルヘルスコンソーシアム 会長
荒井 秀典
(国立長寿医療研究センター 理事長)
会長写真

健康長寿のためのデジタルヘルスコンソーシアム設立にあたって

この度、「健康長寿のためのデジタルヘルスコンソーシアム」を設立し、そのキックオフイベントとして本シンポジウムを開催する運びとなりました。

日本は世界でも類を見ない速さで高齢化が進んでおり、65歳以上の人口はすでに全人口の3割近くに達しています。2040年には要支援・要介護者が急増すると予測されており、認知症やサルコペニア、フレイルといった加齢関連疾患が、個人のQOL(生活の質)を損なうだけでなく、医療・介護制度の持続可能性を脅かす深刻な課題となっています。

このような状況において、デジタルテクノロジーは、高齢者の健康維持や生活支援に革新的なアプローチをもたらす可能性を秘めています。2025年には、AMED(日本医療研究開発機構)の支援のもと、世界初となる『サルコペニア・フレイルの予防・改善に関するデジタルヘルスのためのガイドライン』が刊行されました。このガイドラインは、デジタルヘルスによる高齢者の健康対策の現状を明らかにし、今後のエビデンス構築と社会実装の必要性を浮き彫りにしました。

この課題に応えるべく、国立長寿医療研究センター(NCGG)は、産学官民の英知を結集した共創プラットフォームとして、本コンソーシアムを設立しました。私たちの目標は、科学的エビデンスに基づいたデジタルヘルス技術・サービスの普及を促進し、高齢者のQOL向上と健康寿命の延伸を加速させることです。

本シンポジウムは、この壮大な目標に向けた第一歩です。デジタルヘルスによる健康寿命延伸のエビデンスを構築する研究者、そしてその社会実装を担う企業や自治体が一堂に会し、講演やパネルディスカッションを通じて、コンソーシアムの具体的な活動内容と方向性を共に議論します。特に、長寿科学振興財団の事業で得られた高齢者のデジタルデバイド解消への道筋を踏まえ、本コンソーシアムがエビデンス構築を加速させることを期待しています。

本シンポジウムを契機に、志を同じくする多様なステークホルダーが知恵と力を結集し、日本の健康長寿社会の実現に向けた大きな一歩を踏み出せることを確信しています。皆様の活発なご討議とご協力を心よりお願い申し上げます。

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