第30回日本血液透析濾過医学会学術集会・総会
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大会長挨拶
 
第30回日本血液透析濾過医学会学術集会・総会
大会長: 前田 兼徳
医療法人社団兼愛会 前田医院

 

 第30回日本血液透析濾過医学会学術集会・総会を出島メッセ長崎にて開催させていただきます。木枯らしが吹く長崎で皆様にお会いできますことをとても楽しみにしております。

 日本の透析は世界一であり、さらに適正なオンラインHDF処方は透析患者の生命予後を改善させる。これはわが国で透析治療にかかわる多くの医療者が自負している事実です。

 腎臓移植の機会に恵まれないわが国において、透析治療がガラパゴス的に発展し良好な治療成績を達成してきたことは枚挙にいとまがありません。一方でその成果は必ずしも “Patient centered medicine”を実現できていないのかもしれません。透析患者の高齢化や合併症が進行し患者の価値観も多彩となった現在においては、生命予後の改善のみならず苦痛のない治療、愁訴のない生活、そして栄養障害を避けながらフレイル・サルコペニアをできるだけ予防する治療が求められています。そのためには多職種の協働は不可欠です。私はオンラインHDFという武器は末期腎不全患者の多様性に順応できるものであると信じています。

 本大会では基調講演として一般社団法人 日本透析医学会理事長 友雅司先生に「α1MG」について、招聘講演として医師でもある参議院議員 秋野公造先生に「共同意思決定の推進」についてのご講演を賜ります。特別講演では髙田春奈様(公益財団法人日本サッカー協会 常務理事)に「スポーツの力」について、泉川公一教授(長崎大学大学院)に「新型コロナウイルス感染症」について大いに語っていただきます。小久保謙一准教授(北里大学)、今村亮一教授(長崎大学大学院)、山川智之先生(公益社団法人 日本透析医会副会長)による3つの教育講演もご用意させていただきました。さらに「よくわかる出島塾」と題し慢性腎臓病を網羅できる教育講座を2日間にわたり開催いたします。そのほかスペシャリストの先生方によるシンポジウム、ワークショップ、学会横断企画、本気のディベートセッションなど盛りだくさんの内容となっております。
 
 尚、大会中のホスピタリティルームはジャパネットホールディングス様にご提供いただきます。そして最終プログラムとして、本大会とジャパネットホールディングス様との共催による市民公開講座「慢性腎臓病(CKD)」を長崎大学病院泌尿器科・腎移植外科、腎臓内科、産婦人科、長崎県医師会、長崎市医師会、島原市医師会の全面的なサポートのもと一般市民の皆様に向けて開催いたします。

 長崎は今、西九州新幹線の開業や長崎スタジアムシティプロジェクトなど『100年に一度の変革期』を迎えています。

「日本の透析を今一度せんたくいたし申し候」

激動の幕末に坂本龍馬が奔走したこの出島で、ここに集ってくださるすべての皆様が、既存の概念にとらわれることなく、ともに手を取り合いながら透析治療を今一度「洗濯」し、心ゆくまでよりよい治療を「選択」するために活発な議論を展開していただくことを切に願ってやみません。
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