日本放射線腫瘍学会第38回学術大会
大会長 櫻井 英幸
(筑波大学医学医療系 放射線腫瘍学 教授)
多くの幸運に恵まれ、第38回学術大会を主催させていただくこととなり、大変光栄に思っております。
今回の学術大会のテーマは「IMAGINE THE FUTUREーがん診療の未来を話そうー」、といたしました。どのような学術大会にしたいのかを私自身イメージした時に、次世代を担う学生や若手医療者・研究者が、将来を見据えてフランクに討論をしている姿が目に浮かび、今回のテーマとしました。
我々は基礎から臨床までの研究を推進し、その結果として得られたエビデンスを重視して日々の診療を行っていますが、現在の標準治療にも多くの課題があります。過去から現在までの臨床経験や治療成績を議論することは学術大会として大変大切なことですが、そこに終始するのではなくて、これからの中長期的な戦略を見据えて、5年後、10年後、そして100年後、我々の担う医療がどのようになってゆくのか、質的に豊かな未来のために我々医療者がどのような方向に進めばいいのか、一緒に考えてゆく会にしたいと思います。また、患者さんの幸福だけではなく、これからの変わりゆく社会の中で我々医療者、研究者、教育者、そして関連する企業の方々とともに何をしていけばいいのか、つまりがん診療、その中の放射線治療に尽力するコミュニティ全体のやりがいと成功と幸福のための課題と解決の糸口を考える、そんな大きな視点で皆さんと議論をしていきたいと考えています。
「IMAGINE THE FUTURE」は、実は筑波大学が掲げる理念です。最も開かれた未来志向の大学を目指し、その言葉には「改革」「挑戦」の思いが込められています。がん診療の未来を創造するのは我々自身だと思います。演者の先生方には、実現できるかどうかにかかわらず、また賛同できるかどうかにかかわらず、「これからどう進むべきか」「課題解決のために何が必要なのか」「私の夢、希望」という視点を、最後のスライドに示してほしいと思っています。それが未来の「想像」から、未来の「創造」につながることになると思います。
筑波大学放射線腫瘍学の教室員が一丸となって会の運営に当たりますが、会員の皆様からもぜひ良い企画をご提案いただければ幸いです。また、コロナ禍を経て学会参加を控える傾向がいまだ続いている気がいたしますが、学会に現地参加すると結構楽しいものだ、と皆さんに思ってもらえるような会を目指していろいろと企画をしていきたいと思っています。
久々の東京での開催です。多くの方々のご参加をお願い申し上げます。
© 2024 The 38th Annual Meeting
of the Japanese Society for Radiation Oncology