第66回日本不整脈心電学会学術大会

会長挨拶

第66回日本不整脈心電学会学術大会 会長

  • 小林 義典
  • (東海大学医学部付属八王子病院
    循環器内科)
会長:小林 義典 写真
  • 村川 裕二
  • (帝京大学医学部附属溝口病院
    第四内科)
会長:村川 裕二 写真

心臓電気生理学の知識の蓄積は大きく、不整脈の治療はさまざまな領域の進歩により輝かしい時代を迎えています。昔年のありかたを振り返れば今立っている場所は山の頂のように思えます。しかし、新たなブレークスルーを目指す熱意は衰えることはなく、さらなる高みを目指して発展していくものと考えます。不整脈診療はこの4半世紀で大きな変貌を遂げました。特に不整脈非薬物療法の進歩は目覚ましく、新しい医療機器や治療法が矢継ぎ早に生み出されています。同時に不整脈メカニズムの理解も深まり、新しい治療概念や標的の発案により、治療成績も向上しています。この激動の時代を過ごした者にとっては、この流れを止めることなく、その勢いや方向を正していくことが重要な役割です。

さて、私たち2人は2019年7月24日(水)~ 27日(土)の4日間、横浜の地で「第66回日本不整脈心電学会学術大会」を開催する運びとなりました。この重責を30年の友誼を持つ2人で担えることは大きな慶びです。いまだ薬物治療が主流だった時代から、あるいはカテーテル・アブレーションの黎明期から東京湯島地区の研究会で一症例に30分以上かけて興味ある電気生理学現象について激論を交わしたことが思い出されます。

時代が変わっても、また対象が多岐に渡りより複雑になっても、学問に対するパッションは同じです。斬新な疾患概念、生理学的現象や診断治療方法を発見した時の喜びは無二のものだと思います。私たちは特に心臓電気生理学を目指す若手医師に既存の知識や技術を習得した上で、大きな挑戦をしていただきたいと願っています。

本大会では不整脈学・心電学の現在と未来を語り、有意義な情報交換を行うために、日本と海外のエキスパートが集います。さまざまな先進のテクノロジー、薬物治療と非薬物治療のアップデート、これからの展開が期待されるデバイスやテクニックについて、濃厚なディスカッションを行う予定です。

この大会が不整脈学・心電学の進歩の着実な礎になりますように、また多くの若手医師にとって新たな挑戦の契機になりますように、皆様の積極的なご参加とご支援を賜りたくお願い申し上げます。

平成30年8月吉日