ご挨拶
- 一般社団法人
日本脳神経外科学会 第85回学術総会
会長 三國 信啓
札幌医科大学医学部
脳神経外科 教授

この度、2026年10月21日(水)から23日(金)の3日間、札幌市民交流プラザ、カナモトホール、ニューオータニイン札幌、および札幌グランドホテルにおきまして、一般社団法人日本脳神経外科学会 第85回学術総会を開催させていただくこととなりました。
札幌医科大学脳神経外科といたしましては、初代教授 故 橋場輝芳先生が第19回総会を主催されて以来、実に66年ぶりの開催となります。教室員一同、大変光栄に存じますとともに、身の引き締まる思いで準備を進めております。
本総会のテーマは「脳神経外科のビジョン」といたしました。 かつて司馬遼太郎氏が描いた明治の青年たちがそうであったように、私たちもまた前を向き、高みを目指して歩み続けています。すべての活動の原点である「For the patient」というゴールに向け、基礎研究から日々の臨床現場まで、多様かつ最新の知見と情熱を持ち寄り、AIの及ばない深い議論の場とできれば幸いです。
皆様と共に議論を深めるべく、以下の特別企画を合計14セッション用意し、座長からの提言の時間を設けました。
- 脳神経外科領域別ビジョン(10セッション)
課題となる疾患・機能・解剖や再生医療に対し、国内外のエキスパートによる講演から現在地と未来図(Vision)を明確にします。
- 社会の中での脳神経外科のビジョン(2セッション)
AI技術の進化や働き方改革など、変化する社会環境との共生・調和を模索します。
- 若手のビジョン(GREEN Project)
次代を担う若手が描く「将来の目標」や「ありたい姿」を共有し、実現するためのロードマップを描きます。様々なアプローチやキャリアを経てゴールに向かう姿を、自身のSubspecialtyのみならず他領域の若手医師や学生にも関心を持っていただけるようなプログラムとして提示いたします。
- シニア世代のビジョン
長きにわたり坂を登り続けてきた経験と叡智から、これからの医療を見通します。
特別講演では、筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 機構長の柳沢正史先生にご講演いただきます。柳沢先生は、血管収縮に関わる生理活性ペプチド「エンドセリン」や、睡眠・覚醒を制御する神経ペプチド「オレキシン」の発見をはじめ、世界をリードする基礎研究を続けてこられました。本講演では、睡眠研究にとどまらず、長年にわたる基礎研究の歩みとその魅力についてお話しいただきます。
文化講演では、京都大学 高等研究院 特別教授の北川進先生にご講演いただきます。北川先生は、多孔性配位高分子/金属有機構造体(PCP/MOF)研究を世界的に牽引され、そのご業績により2025年にノーベル化学賞を受賞されました。本講演では、研究の魅力や、独創的な研究を継続し発展させてこられた歩みについてお話しいただきます。脳という臓器を治療する外科医として、研究に取り組む意義と責任をあらためて考え、特に若い世代が研究への関心を深める貴重な機会となることが期待されます。
エジプトとモンゴルとの交流セッションも予定しています。応募いただいた演題総数は2128題となり、シンポジウム48、一般口演93、ポスター138セッションでご発表いただきます。学会の価値は、演題の一つひとつ、そして参加される皆様の想いによって創り上げられるものです。実りある議論の場となりますよう、皆様の温かいご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。