会長挨拶

土井 秀明

第44回日本美容外科学会総会
会長 土井 秀明
(こまちくりにっく)

この度、第44回日本美容外科学会総会・第142回学術集会を2021年9月30日(木)〜10月1日(金)の両日に渡り,大阪のコングレコンベンションセンターにて主催させていただくこととなりました。会長に御推挙いただいた役員の先生方、評議員の先生方に厚く御礼申し上げます。また、協賛企業の皆様にも深く感謝申し上げます。

今回のテーマは,「美容医学への道」です。われわれ日本美容外科学会々員が歩む道には三つの道があります。一つ目は過去に先人たちが歩んできた道です。美容外科の過去の道は、異物注入によるトラブルの苦い経験があります。決してなだらかな道ではありませんでしたが、先人たちは美容外科を学問として研究研鑽し、正しい道を切り開いてきました。二つ目の道は二つに別れた道です。JSAPSとJSASという二本の道が寄っては離れを繰り返していますが、JSAPSは日本形成外科学会のサブスペシャリティーとして後進のために美容医学の本道を築かなければなりません。最後の三つ目の道は未来につながる道です。美容外科が欧米のように医学の一分野として、形成外科と並んで広く一般に認知されるようになるために、より一層の努力をしなければなりません。

さて、日本文化では,武道と言われる柔道,剣道,空手道,弓道などや芸道と言われる書道,茶道,華道などといった武芸という意味で「道」という文字が使われています。師範という、その道を極めた達人の指導に従い、一歩々々歩む道を踏み外すことのないように導かれていきます。武芸では、その進捗状況に応じて級位や段位、あるいは師範といった称号が与えられます。美容医学の道も同様であり、段階を踏んだトレーニングを受けて美容外科専門医となるはずです。縫合の基本、埋没縫合から始まり、創傷治癒、植皮,皮弁と形成外科の基本を習得し、上の段階に進んでいく必要があります。今回の学術集会では、美容医学に関係する領域から日常診療で役立つと考えられる教育セミナーを中心にプログラムを計画しました。

美容医学への道は、まだまだ課題が山積しているでしょうが、日本美容外科学会の会員諸兄が一丸となり突き進んで行けば必ず明るい未来に通じると思っています。美容医学への道を共に築こうとする数多くの美容外科医の参加をお待ち申し上げています。

【表紙の字について】

「道」の文字は私の長女が書いたものです。中学・高校時代には日本書道美術館展の一般の部で何度か銀賞に入賞しており、その作品は天皇皇后両陛下(現在の上皇上皇后両陛下)にご鑑賞いただいたこともあります。今は普通の大学生です。

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