会長挨拶
第55回日本消化吸収学会総会
会長 堀口 明彦
(藤田医科大学医学部消化器外科学講座 ばんたね病院外科)
会長 堀口 明彦
(藤田医科大学医学部消化器外科学講座 ばんたね病院外科)

本学会は1970年に日本消化吸収研究会が設立され、1984年に日本消化吸収学会に発展した、大変歴史のある学会であり、本学会から発信された各種消化吸収障害の診断治療はめざましいものがあります。
さて、今回のテーマは「消化吸収学の未来を開くー基礎と臨床の融合―」と、いたしました。消化吸収障害と栄養療法、腸内細菌、など近年は新たな知見が散見されています。 私は、消化器外科医であり、とくに胆道・膵臓外科を専門としてきました。また、膵切除術後の消化吸収障害を数多く経験させていただきました。中村光男理事長はじめ多くの先生方にいろいろご指導をいただき、膵切除術前後の13C呼気試験を1992年から行ってきました。膵切除術で重要なことは、根治術であり過不足のない手術をおこなうことです。とくに低悪性度の腫瘍に対して積極的に臓器あるいは機能温存術式を取り入れてきました。一方、膵切除術後外分泌機能不全はいまだに客観的な評価法がないのが現状です。そこで各種外分泌機能検査法の再検討を含め、基礎研究と臨床研究を融合させることで新たな消化吸収障害の解明につながるとの思いでこのテーマとさせていただきました。
名古屋は“名古屋めし”といわれるほど、美味しい食文化がございます。皆さまにご満足いただき、心に残る会になるよう準備させていただきます。名古屋にお越しいただき、消化吸収学の熱い議論を交わしていただき、街にくりだし美味しい食文化を味わっていただきたいと思います。
教室員一同、精一杯尽力する所存でございます。全国より多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。