会長挨拶

第61回日本産科婦人科内視鏡学会学術講演会
21st APAGE Annual Congress(APAGE2021)
会長 明樂 重夫
(日本医科大学 産婦人科 教授)

この度、第61回日本産科婦人科内視鏡学会学術講演会を、4年ぶりかつ東京圏で初めてAPAGE (Asia-Pacific Gynecological Endoscopy and Minimally Invasive Therapy) と同時開催させて頂くことになりました。本学術講演会を担当させて頂くのは教室にとり3回目となり、とても光栄に存じるとともに身が引き締まる思いであります。

内視鏡手術は保険適応となってからほぼ30年が経過しましたが、その進化はとどまる事がありません。今後技術レベルの進歩やロボット補助下手術の急速な普及から、最先端の内視鏡手術はますます先鋭化していくと思われます。しかし一方で、患者さんが内視鏡手術の恩恵を日本中どこでも、世界中どこでも受けられる体制はまだ整っておらず、安全性に立脚した内視鏡手術の教育と標準化が問われております。そこで本学会のテーマを“Challenge for innovation, make a new standard”とし、先進性と標準化の両方を追求していくことと致しました。

まずinnovationですが、先進のロボット技術やAIを駆使した内視鏡手術がその代表と思われます。そこで、アジアを始め世界に向けてJapan Technologyを発信すべく、特別講演を始め多くのプレナリーセッションを組みました。また、APAGEとの合同企画として欧米から多くの演者をWebで招聘しています。良性から悪性疾患までup to dateな話題を楽しみにして頂けると幸いです。一方、地域格差や病院格差を解消するためのパネルディスカッションや、上手くいかなかった手術におけるビデオクリニックなど、内視鏡手術の教育や標準化についての参加型セッションも数多く組みました。多くの若手医師の参加を期待しております。

今、世界は新型コロナウイルスのパンデミックの中にあります。しかし、我々は叡智を結集してこれを乗り越えて行かなくてはなりません。本学会やAPAGEも従来どおりの開催形式を踏襲することはできませんが、Webを随所に活用して未来に繋がる学会になるよう、会員の皆様と考えていきたいと思います。

横浜は国際貿易港を有する都市として長い歴史があります。この地から多くの熱いディスカッションによる新しい知見がアジア、さらに世界に発信されていくことを願っております。ひとりでも多くの会員の皆様のご参加をお待ち申し上げております。