ご挨拶

第69回公益社団法人日本口腔外科学会総会・学術大会

会長 池邉 哲郎

(福岡歯科大学 口腔・顎顔面外科学講座 口腔外科学分野 教授)

池邉 哲郎

第69回学術大会は、2024年11月22日(金)〜11月24日(日)にパシフィコ横浜会議センターにて開催いたします。横浜での開催は、弘前大学の木村博人教授が大会長でありました2012年の第57回大会以来12年ぶりとなります。また、私は九州支部の所属ですが、九州支部の大会長が九州以外の都市で学術大会を開催いたしますのは、2014年の第59回大会を幕張で開催されました佐賀大学の後藤昌昭教授、2020年の第65回大会を名古屋で開催されました長崎大学の朝比奈 泉教授以来となります。諸先輩の名を汚すことがないよう精一杯が頑張りますのでご支援ご鞭撻を頂戴したいと存じます。

第69回学術大会のテーマは、「口腔外科学の創造的進化へ向けて」Creative Evolution toward New Oral and Maxillofacial Surgeryとしました。我々ホモサピエンスは約20万年前に現れたそうですが、私たちは基本的には狩猟採集生活で獲得した20万年前のゲノムを持ち続けているとされています。私たちが新しい技術社会に適応して生き残るためにはゲノムを変えることができませんから、私たちの意識・発想・固定観念の方を変えていかざるを得ません。すなわち創造的進化です。AIの応用など新しい口腔外科学の胎動もその創造的進化にかかっているかもしれません。特に、若手の創造的進化を期待する意も含まれています。(実は創造的進化という言葉はフランスの哲学者ベルグソンの著書のタイトルであり、生命を機械的唯物論のみで捉える風潮に対して生命の躍動という内的な衝動を重視したようです。若手の内的衝動がテーマと言ってもよいでしょう)。

第68回大会と同様、対面形式が主で、特別講演、教育講演、シンポジウムにはオンデマンドを取り入れる予定です。特別講演には、世界初のエイズウイルス治療薬AZTを発見して毎年ノーベル賞候補に挙げられています国立国際医療研究センター研究所長・理事、アメリカ国立がん研究所内科療法部門レトロウイルス感染症部部長の満屋 裕明先生を予定しています。他にも多様性に富むなテーマをご案内して創造的進化を刺激できればと願っています。

先日、パシフィコ横浜に行く機会がありましたが、その賑やかな都会の雰囲気に田舎者の私は圧倒されました。幕張よりも刺激的な場所です。多くの老若男女の先生方にご参加いただき、次の口腔外科学を議論していただくとともに、横浜のショッピングや夜を楽しんでいただきたいと存じます。

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