会長挨拶

日本ペインクリニック学会 第60回学術集会
会長 天谷 文昌
(京都府立医科大学 麻酔科学教室 教授)
2026年7月9日(木)・10日(金)・11日(土)の3日間にわたり、国立京都国際会館におきまして日本ペインクリニック学会第60回学術集会を開催させていただくことになりました。京都府立医科大学麻酔科学教室の天谷文昌と申します。
本学術集会のテーマは「多様な視点、一つの未来」といたしました。
痛みを抱える患者さんにおいて、身体的問題のみならず心理社会的な課題の解決が重要視されるようになりました。急性痛から慢性痛に至るまで、多様な専門性を持つ医師やコメディカルなど多職種からなるチームアプローチが注目されています。「痛み」をキーワードに横断的な治療を行う事で、臓器別診療が主流である現代医療に別の視点を提供することがペインクリニックの本質ではないかと考えます。疼痛治療には依然として未解決な問題が数多く残っています。一つの目標を目指して、さまざまな視点を持つこと、従来の常識にとらわれない新しい発想や多角的な視点がよりよい解決策を探るために必要です。
多くの参加者と情報が交錯することで生まれる化学反応のような出会いから、新たな知が創出される──そのような学会となることを願っております。
今回は初の試みとして、講演テーマの公募を行う予定です。多様な視点による企画を通じて、学術集会の内容をさらに充実させたいと考えておりますので、皆さまの積極的なご応募をお待ち申し上げます。大会期間中には、京都を代表する祇園祭の鉾立ても行われ、7月上旬の京都の街は見どころにあふれています。歴史と伝統が息づくこの地で、大いに学び、大いに楽しんでいただきながら、有意義な数日間をお過ごしいただければ幸いです。
皆さまと京都でお会いできることを心より楽しみにしております。