ご挨拶

第32回日本腹膜透析医学会学術集会・総会

大会長 水野 正司

名古屋大学大学院医学系研究科
腎不全システム治療学寄附講座 特任教授

水野 正司

この度、第32回日本腹膜透析学術集会・総会を、令和8年11月28日(土)・29日(日)の二日間、名古屋の地で開催させていただく運びとなりました。この大役を仰せつかりましたこと、大変光栄に存じております。

今回の学術集会のテーマは、「PD、未来へ躍進」といたしました。本学術集会が、PDにかかわる臨床、教育、そして基礎から臨床研究までの各分野で大きく飛躍する機会になれば、という思いを込めてこのテーマを掲げさせていただきました。

超高齢社会の中、PDの意義はますます大きくなってきています。疾患中心から患者中心へ、さらに人間(person-center)中心で腎代替療法を考え、高齢者についてもperson-centerでPDを考える時代になりました。少子化と共に多くの地域で人口減少が進む中、独居の高齢腎不全患者、高齢家族が介護中の高齢腎不全患者、そしてPD選択時には自立していても数年後には介護が必要となりそうな腎不全患者、腎代替療法選択の際にはこれらの患者を避けては通れません。介護を必要とする患者でPD継続を望む方々をどのように支えていくか、assisted PDの重要性もますます増しています。患者個々の理想的な腎代替療法としてのPDを継続可能なものとするため、患者・家族のQOLを考えたPD像、人生の終焉まで見据えたPD 像を、皆様と論ずる場に本学術集会がなることを望んでおります。

教育については、若手医師、在宅医療を支える医師、訪問看護師、臨床工学技士、栄養士、理学療法士をはじめとしたPD医療を支える皆様が、基本および最新の知識を取り込む機会となるように、特に早期離脱の改善のための必要かつ十分な情報収集の場になるように企画します。さらに少子化、人口減少による医療スタッフ不足も懸念される中、ワークシェアリングについても議論できればと思います。

研究の面では、近年、遠隔医療を支えるツールの導入、APD装置の改善、極細内視鏡の開発など、ソフト面もハード面も進歩してきており、academicな魅力も増しています。また、基礎研究についても活発な議論の場とし、より安全で長期施行可能なPD医療、そして日本から発信するエビデンス構築を目指した基礎研究への飛躍の機会となれば、と考えております。

今回の開催地、名古屋は全国どのエリアからも比較的お越しいただき易いロケーションにあります。また、会場も名古屋駅から徒歩で移動可能な位置にあるウインクあいちで開催させていただきます。ホスピタリティの精神と名古屋のB級グルメで皆様を名古屋にお迎えしたいと考えております。皆様の御参加を心よりお待ちしております。

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