当番世話人挨拶

第26回日本肝がん分子標的治療研究会
当番世話人 調 憲
群馬大学大学院 総合外科学講座
肝胆膵外科学分野 教授

当番世話人 調 憲

この度第26回日本肝がん分子標的治療研究会の当番世話人を努めさせて頂きます、群馬大学大学院医学系研究科 総合外科学講座 肝胆膵外科学分野の調 憲でございます。日程および会場は、2022年6月25日(土)に軽井沢プリンスホテルウエストにて開催させて頂く事になりました。

私は肝胆膵外科医として主に肝・胆・膵癌の外科的治療に関わってきました。特に肝切除、肝移植など肝がんに対する外科治療を通じて肝がんとの関わりは30年を超えました。しかしながら、肝がんは難治性でどんなに良い手術をしたとしても再発をすることも多く、患者さんを前に胸のつぶれる思いをしてきました。難治がんを制圧するためには外科のメスだけでは限界があります。一方で既存の抗癌療法も限界があり、新規療法の開発は喫緊の課題です。難治癌の患者さんに向き合ってきたからこその難治癌制圧への強い思いがあります。

肝がんに対する分子標的治療は長らく新規治療の臨床応用がなく冬の時代がありましたが、ここにきて分子標的薬や血管新生阻害薬、免疫チェックポイント阻害剤などが保険承認され、さらにはいわゆるゲノム医療も現実のものとなり“パラダイムシフト”が起きたと感じています。しかしながら、実臨床の中で長年培われてきた既存の治療体系にいかに新規治療を組み込むべきか?新規治療の適応や棲み分けなど様々な課題が見えてきています。

だからこそ、今回の研究会のテーマを「肝がん治療のパラダイムシフトのその先へ」としました。本研究会における新たな知見やディスカッションが新たな課題の解決の糸口となり、難治癌に苦しむ患者にとって福音となればという思いです。

会期が2022年6月ということで、願わくばコロナ禍が収束し、参加者が初夏の軽井沢で熱い討論を交わす現地開催を基本としたいと現時点では考えております。

一人でも多くの皆様のご参加を、心よりお待ちしております。

2022年1月

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