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- 第62回日本聴覚医学会総会・学術講演会を担当するにあたって - |
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このたび、平成29年10月18日から20日の会期でアクロス福岡にて第62回日本聴覚医学会総会・学術講演会を担当させていただくこととなりました。大変名誉であるとともに、その重責に身が引き締まる思いでいます。このような機会をくださいました学会役員ならびに会員の皆様に御礼を申し上げます。
今回、主題として、「発達障害を伴った難聴児をめぐる諸問題」と「難聴・耳鳴治療に向けた聴覚基礎研究」を取り上げました。また主題にあわせて、教育講演を企画しました。教育講演を基調講演と位置づけ、基調講演に引き続き、会員からの主題の発表を行うという進行にする予定です。「発達障害を伴った難聴児をめぐる諸問題」では、自閉症スペクトラムや多動症,学習障害などの発達障害を合併する難聴児の診断や療育で苦慮する課題について焦点をあて、議論できればと考えております。大六一志先生より発達障害についてご講演いただきます。大六一志先生は東京大学で教育学博士を取得され、昨年春まで筑波大学人間系教授を務められ、教育畑で知能検査・発達評価の理論的背景の研究を行ってこられました。発達障害を合併した児の診断や療育へのヒントが得られればと期待しております。また、基礎研究と日常臨床との接点を改めて見直す機会になればと考え、「難聴・耳鳴治療に向けた聴覚基礎研究」を主題にしました。基礎研究より日常臨床への橋渡しとなる難聴・耳鳴治療のシーズという視点から聴覚基礎の演題を募集します。教育講演は東北大学医工学研究科の川瀬哲明先生にお願いしました。内耳から中枢まで幅広く聴覚系の基礎について、ご講演いただく予定です。
本学会の目的は聴覚並びにその障害に関する研究の進歩と発展をはかることです。聴覚生理研究会は聴覚全般の基礎研究の発展を目指し、聴覚以外の他の分野の先端研究についても、知見や知識を増やすことを目的として、昭和27年に本学会の前身であるオージオロギー学会で設立されました。昭和58年に基礎耳科学会の期間中に移動しましたが、今期より本学会の会期中の開催に戻ることになりました。1日目の終了後に行います。また、7月の研究会週間に行っていた難聴と遺伝子の研究会を学術講演会の中に組み込みました。現在、ほとんどの疾患には遺伝的素因が関わっていることが明らかになってきています。遺伝性難聴の正しい知識を身に着ける一助になれば、幸いです。補聴研究会は、例年通り、2日目の終了後に行います。
学術講演会本体はコンパクトになります。発表時間は6分発表を原則とします。群に対し、演題数に応じて質疑時間を決めますが、質疑の進め方を含め、座長の先生のご判断で時間を配分くださるようにお願いする予定です。また本回より、各演題の予稿集での割り当てが従来の2ページから1ページになります。本学会は予稿集であらかじめ内容を把握したうえで、発表を聞き、質疑応答を行うということが特徴であり、利点です。字数は少なくなりましたが、今までのように発表の内容を詳細に記述してください。
情報保障は本学会の主なテーマであります。聴覚障害の方にも優しい情報保障を心がける予定です。どこまで充実できるか、試験的な面もありますが、発表者や参加者の利便性を高めたいと考えています。
10月中旬の福岡は1年のうちで最も過ごしやすい季節です。多くの皆様がご参加くださいますよう、よろしくお願いいたします。 |
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第62回日本聴覚医学会総会・学術講演会 |
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会長 中川 尚志
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九州大学大学院医学研究院 耳鼻咽喉科学分野 教授 |
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