第90回日本感染症学会総会・学術講演会

会長挨拶

賀来満夫会長

第90回日本感染症学会総会・学術講演会
会長 賀来 満夫

(東北大学大学院医学系研究科 内科病態学講座 感染制御・検査診断学分野教授)

このたび、2016年4月15日(金)~4月16日(土)に仙台国際センターにて第90回日本感染症学会総会・学術講演会を、「One Health ヒト、動物、そして環境 ~感染症のトータルマネジメントをめざして~」をメインテーマとして開催させていただくこととなりました。歴史と伝統を誇る本学会総会・学術講演会を担当させていただくことになり、大変光栄に存じております。

現在の感染症の問題点としては、感染症の“原因微生物の多様化”、そして感染症の“グローバル化・ボーダーレス化”が挙げられ、人々の交流や交通の発達により、世界そして地域全体へ感染が伝播蔓延し、大きな影響を引き起こす可能性があることなど、感染症は社会における“危機:クライシス”そのものであることを強く認識することが不可欠な状況となっています。すなわち、感染症の問題は今や、医療関連施設にとどまらず、広く社会全体の危機:クライシスと認識されるようになってきており、これまでの考え方を超えたコンセプト、『ヒト、動物、環境を包括する One Health』というニューコンセプトに基づき、対応していくことが不可欠となっています。

このような感染症クライシスへ迅速かつ的確に対応していくためには、臨床現場にいる医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、介護スタッフ、行政の医療保健担当者や基礎医学領域の研究者、企業などが共に連携協力し、さらにメディアや一般市民の方々とも相互理解を深め、ソシアル(社会)ネットワークを構築し、一体となって対応していく必要があります。

本学術講演会プログラム委員会は、感染症領域の分野で活躍されている先生方で構成され、「One Health」、「感染症のトータルマネジメント」というメインテーマに沿って、インパクトがあり、興味深い内容のプログラムを作り上げるべく、現在、鋭意準備を進めているところです。具体的なプログラムが確定し次第、この学会ホームページに公開していく予定としております。また、その他の情報も随時に学会誌とホームページでお知らせいたします。本学術講演会に多くの方々が参加されることを希望いたしております。

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