第29回日本緑内障学会 - The 29th Meeting of Japan Glaucoma Society

そして未来へ 緑内障をつなぐ

ご挨拶

  • 第29回日本緑内障学会
  • 会長 福地 健郎
  • 新潟大学医学部眼科学分野 教授
会長:福地 健郎 写真

2018年の第29回日本緑内障学会を担当させていただくことになりました.新潟市で日本緑内障学会が開催されるのは、第2回(1991年)を岩田和雄教授(現名誉教授)が、第15回(2004年)を阿部春樹教授(現名誉教授)が主催されて以来、今回で3回目になります.東京、大阪以外の都市での3回目の開催、また新潟大学という単独施設による3回目の開催は、29回を数える日本緑内障学会の歴史の中でも初めてということになります.現在の日本緑内障学会は、日本臨床眼科学会のグループディスカッション「緑内障」と、「日本緑内障研究会」がその母体として発足しました.日本の緑内障の父と呼ばれ、グループディスカッションの初代世話人、日本緑内障研究会の初代会長をお務めになられたのが、故須田経宇名誉教授です.須田経宇先生は昭和6年から新潟大眼科の助教授をお務めになられ、私たちの大先輩に当たります.先生のお名前を冠した学術総会特別講演が「須田記念講演」ですが、今年はこれも先生の後輩にあたる熊本大・谷原秀信先生が担当されます.日本緑内障学会という伝統ある学会を担当させていただくことを大変な光栄に思います.加えて、日本緑内障学会の歴史との貴重なご縁を誇りに思うとともに.引き継ぐ私たちの責任に身の引き締まる思いです.ご推薦いただきました日本緑内障学会理事、評議員ならびに会員の皆様に、この場をお借りして心より感謝申し上げます.

本学会のテーマは「そして未来へ緑内障をつなぐ」です.今の日本緑内障学会は日本緑内障研究会の学閥を超えて議論しあうという精神を良く引き継いでいると思います.私自身、様々な機会を通して、全国にたくさんの先輩、そして友人を作ることができました.もちろん学会を主催する立場としての心配はありますが、反面で全国の緑内障学会の仲間、新潟大学の仲間とともにどのような学会を作ることができるのか、とても楽しみでもあります.

プログラムとして須田記念講演の他、特別講演を順天堂大脳神経内科・服部信孝先生に、招待講演は米国Duke大・Felipe Medeiros先生にお願いいたしました.服部先生は神経変性疾患とオートファジーについての研究の第一人者でいらっしゃいます. Medeiros先生はアメリカ緑内障学会の若きリーダーの1人とも言える先生で、形態、機能からQOLまで、緑内障のきわめて幅広い領域で研究活動を続けておられます.学会のテーマ「そして未来へ緑内障をつなぐ」ための興味あるお話を拝聴できるものと期待しております.特別プログラムとしてLegendary Lecture、パネルディスカッション、Asia-Japanシンポジウムを企画しました.学会の大先輩である、岩田先生、新家先生、宇治先生、白土先生からどのようなお話を聞かせていただけるのかとても楽しみです.シンポジウムは12件、緑内障学会の仲間とともに、年次学会としてのオーソドックスなテーマから未来につながる先進的なテーマまで、とても魅力あるシンポジウムを企画することができたと思います.また臨床的、教育的なプログラム、スタッフと共有できるようなプログラムも企画しました.それぞれの立場で、今の緑内障を楽しんでいただければと思います.その上で、平成の緑内障を総括し、さらに未来、次世代へとつなぐことができるような緑内障学会、知識をつなぐ場としてだけでなく、人と人、心と心をつなぐことができるような緑内障学会になってくれると良いと思っています.

会期は2018年(平成30年)9月14日(金)~16日(日)です.週末は連休で会期終了日の翌日17日も休日です.新潟はおいしいお米とおいしいお酒が有名ですが、他にも枝豆や果物などなど全国に誇る食自慢の土地です.この機会に佐渡島に足を伸ばしてみるのも一興かもしれません.ぜひ学会+1日、「緑内障を楽しむ」とともに新潟を堪能していっていただければと思います.

2018年9月、皆様に新潟でお会いできるのを楽しみしております.