第45回日本肝臓学会西部会 The 45th Meeting of Western Branch of the Japan Society of Hepatology

会長挨拶

第45回日本肝臓学会西部会
会長:伊藤 義人
(京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 教授)

 2023年12月7日(木)・8日(金)国立京都国際会館にて第45回日本肝臓学会西部会を開催いたします。京都府立医科大学が日本肝臓学会の学術集会を開催させていただくのは2006年に岡上武先生が第42回日本肝臓学会総会を開催されて以来、17年ぶりとなります。本学が長い伝統のある西部会を担当させていただくのは大変光栄なことであり、会員の先生方にとって実りある学術集会となるよう準備させていただきたいと考えています。

 部会の重要な使命の一つは、若手医師が臨床の現場で経験を積み肝臓専門医として育つよう支援することにあると思います。専攻医をはじめとする若手医師は、西部会で症例報告することにより、自験例をより深く掘り下げて考察することを経験します。最近の肝疾患診療においてはウイルス性肝炎の治癒・コントロールが比較的容易となった一方で、肝癌診療は局所治療中心からoncologyとしての体系的発展を遂げより複雑化しています。本会では、最先端の肝疾患臨床のトピックスを発信し、若手医師が経験豊かな肝臓専門医になるために有用なテーマを主題に選定しました。

 本会のテーマは多様な肝疾患を学ぶことにより、代謝の中軸である肝臓の理解を深め、次世代の医学に繋げるという意味で「肝臓学から医学を開拓する」としました。特別企画として、疾患の全貌が捉え難く治療法の多くが開発中である非アルコール性脂肪性肝疾患の非侵襲的な診断・病態評価法につき海外から招聘した演者を含めたシンポジウムを行う予定です。また、臓器の線維化に関わる分子シャペロンや固形癌の新規治療法をテーマとした学術的な特別講演のほか、若手医師に肝臓学の魅力を説いていただく講演も準備いたしました。若手医師による示唆に富む肝疾患の症例発表はもちろんのこと、肝疾患の啓蒙に尽力いただいているメディカルスタッフのセッションも設けております。12月初めの京都は紅葉の美しい季節でもあり、是非、多くの先生方に京都まで足を運んでいただき、実りある学術集会にしていただくよう切に願っております。