JSMO2021第18回日本臨床腫瘍学会学術集会 2021 the Japanese Sociey of Medical Oncology Annual Meeting Evolving Treatment Paradigms for Precision Oncology 2021年2月18日㈭~20日㈯
		会場 国立京都国際会館 グランドプリンスホテル京都
		会長 西尾 和人 近畿大学医学部ゲノム生物学講座 教授 演題募集期間 2020年6月~8月(予定)

会長挨拶

会長:堀口 明彦

第18回日本臨床腫瘍学会学術集会
会長 西尾 和人
近畿大学医学部ゲノム生物学講座 教授

Evolving treatment paradigm for precision oncology
進化する治療パラダイムによる精密腫瘍学

第18回日本臨床腫瘍学会学術集会のテーマは、「Evolving treatment paradigm for precision oncology」と致しました。2019年、わが国における保険診療下でのがん遺伝子パネル検査が開始され、第17回学術集会では、がんゲノム診療元年―Novel, Challenge and Change―をテーマに、わが国におけるがんゲノム医療の実装をめぐって種々の報告や議論が活発になされました。

2021年2月の第18回学術集会においては、実装後約1年―2年時点におけるリアルワールドの状況を把握し、改善点及びその解決法について議論していただければと考えています。がん遺伝子パネル検査を実施する場合、コンパニオン診断薬を除くアクショナブルな遺伝子の変化は、エキスパートパネルによりレポート化され、治療法が推奨されます。パネル検査を用いて、実際にがん分子標的薬等による治療が実施される割合は国内外で5-10%程度と報告されています。「治療法がわかっても薬が使えない」という問題は、日本臨床腫瘍学会が立ち向かうべき課題と考えます。がん薬物療法に関する、より高いエビデンスレベルの創出は、日本臨床腫瘍学会の果たすべき使命と心得えます。同時に、可能な限り多くの治療選択肢を呈示するためのエビデンスの創出が必要であり、pivotal studyの共有のみならず、適切なパイロット研究から得られる結果に対して、本学術集会での活発な議論を通じて、エビデンスレベルのコンセンサスを得ることも重要と考えます。

本学会の基本理念の一つにトランスレーショナルリサーチの推進が掲げられています。がん薬物治療に関する基礎的な研究成果も、前述のエキスパートパネル等で検討されるエビデンスレベルの決定に重要な知見を与えます。これもPrecision Oncology時代のトランスレーショナルリサーチの一つと考えます。したがって、基礎的研究から臨床のランダム化比較試験に至るまでを統合的に解釈・議論を深められれば幸甚です。

希少がん、希少フラクションに対する薬物療法の開発も、本学会の果たすべき重要な役割の一つであり、国際的な臨床試験で主導的な役割を果たすうえでも、歴代の学術集会長が掲げてきた国際化に関して引き続き注力する所存です。

歴代の学術集会では教育活動にも力を入れてきました。多職種の医療従事者や企業の方々とのコラボレーションを通じて、人材育成にも取り組んできました。本学術集会でもその方針を変えることなく実施し、多職種医療従事者とのコミュニケーションを図り、各がん関連学会との合同シンポジウムを積極的に組み入れたいと考えています。

がん遺伝子パネル検査(プロファイリング検査)実施の適否、実施の時期を考える際には、「標準的治療」とは何かという疑問が生じます。日本臨床腫瘍学会が発出する各種診療ガイドラインの責務もより重大になってくると考えます。既に、臓器を超えたコンパニオン診断薬が保険収載されている中で、臓器を超えた薬物療法の専門家が集う本学術集会において、臓器間の共通性、相違点も議論され全体のボトムアップに繋がれば幸いです。

本学術集会のテーマに「evolution」というワードを入れさせていただきました。文字通り、がん治療の進化でありますが、がんの基礎研究においてはゲノム解析により、個々のがんにおいてその進展過程に遺伝子的な変化が生じることが示されています。医療そして遺伝子の進化に応じたadaptive treatment paradigmが本学術集会で活発に議論されることを願っています。

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