English第63回日本核医学会学術総会/第43回日本核医学技術学会総会学術大会 The 63rd Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Nuclear Medicine / The 43rd Annual Meeting of the Japanese Society of Nuclear Medicine Technology

ご挨拶/第63回日本核医学会学術総会

第63回日本核医学会学術総会
会長:細野 眞
(近畿大学医学部放射線医学教室 教授)

 このたび、第63回日本核医学会学術総会の会長を務めさせていただくこととなりました。会期は2023年11月16日(木)~18日(土)、会場はグランフロント大阪のコングレコンベンションセンター・カンファレンスルームタワーBです。多くの交通機関が乗り入れる大阪梅田地区に位置し全国どちらからご来場いただく方にもアクセス良好です。現地に加えてWeb配信も実施するハイブリッド形式の開催を予定しています。第63回日本核医学会学術総会は、国立大学法人滋賀医科大学医学部附属病院放射線部 診療放射線技師長の木田哲生先生が大会長を務められる第43回日本核医学技術学会総会学術大会との合同の開催となりますので、力を合わせて準備を進めています。
 テーマは「核医学の学びと創造 – 皆が主人公!」(Learn and Create Nuclear Medicine-Everyone is the Heroine/Hero!)としました。皆様おひとりおひとりが主人公となって核医学の学びを楽しみ、そのパワーが新しい核医学の創造につながっていくような学術総会にしたいと思っています。
 私たちがいま暮らしている現在は核医学が目覚ましく進歩している時代です。腫瘍核医学の分野では核医学治療として神経内分泌腫瘍に対するルテチウム-177DOTATATE(ルテチウムオキソドトレオチド)と褐色細胞腫・パラガングリオーマに対するヨウ素-131MIBGが2021年に相次いで承認されました。α治療としてラジウム-223が2016年に承認され、それに続くα治療の開発に大きな力が注がれています。なおルテチウム-177DOTATATEの導入にあたって一般病室の個室を特別措置病室として用いる医療法施行規則の改正がなされたり、診療報酬のうえで放射線治療病室管理加算に配慮されたり、制度の整備が大きく進みました。心臓核医学ではFDGのサルコイドーシスや大型血管炎、ピロリン酸やHMDPの心アミロイドーシスへの保険適用ができるようになり、半導体SPECTが画像の鮮明度を飛躍的に高めました。脳核医学では認知症の治療薬に期待が集まる中、アミロイドPET製剤が承認されて近い将来の保険適用を待っています。
 さて会期に先だって国際放射線防護委員会ICRPの第7回国際シンポジウム(ICRP 2023)が日本がホスト国となって2023年11月6日(月)~9日(木)東京お台場で開催され、世界中から専門家が来日します。ICRPの活動の大きな柱のひとつは放射線医療の発展と安全ですが、私は2017年からICRP第3専門委員会(医療分野)委員を務めており、大阪でサテライトイベントを開催する計画です。
 ちょうどグランフロント大阪周囲は大規模な再開発プロジェクトが進捗する真最中で、発展しつづける核医学の学術総会をお招きするに相応しいロケーションです。皆様のお力を思う存分発揮していただけるように企画・運営したいと思います。学術総会で楽しく学んで、熱く語り合い、素晴らしいアイディアを得ていだいて、さらに大阪の街の活気を味わっていただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。