第123回西日本整形・災害外科学会学術集会
会長  中村 利孝
産業医科大学整形外科学教室 教授
 
 第123回西日本整形・災害外科学会学術集会を、平成24年6月2日(土)、3日(日)の両日、北九州国際会議場で開催させていただきますことを、大変光栄に存じます。
 本学会では、特別講演に東京大学整形外科の川口浩先生に「変形性関節症の基礎と疫学-日常診療への手がかり-」について、名古屋大学整形外科手の外科の平田仁先生に「神経障害性疼痛の病態に関して」について、ご講演をいただくことにいたしました。川口先生は変形性膝関節症の基礎研究と疫学研究のパイオニアのお一人で、骨の基礎研究においても目覚ましい成果をあげておられます。平田先生は日本を代表する手の外科医であるとともに、神経の生理及び病理学では世界をリードする研究者のお一人です。お二人のご講演はご参加の皆様方にとりましても、我が国の整形外科のひとつの到達点を実感していただくよい機会になるものと思っております。
 主題には「骨・関節領域における感染症の現状と課題」、「脆弱性骨折の外科的治療法と問題点」、「人工股関節の長期成績」の3つを取り上げました。人工物の体内設置が日常化するなかで、骨・関節の感染は治療成績に重大な影響を与えています。様々な対処方法が考案されてきましたが、なおまだ制御不可能な感染は多く、新た治療法の提唱が常に必要とされています。高齢者人口の増加とともに、脆弱性骨折の予防と治療は、すべての整形外科医にとって避けて通れない課題となってきました。人工股関節手術では20-30年の長期成績を見据えた治療が必要になっています。また、特別講演、主題とともに、ランチョンセミナーも5題用意いたしました。
 「日常診療にすぐに役立つ学術集会」をモットーに、外来や病室における日頃の疑問の解消に役立つ情報を得るとともに、新たな着想や工夫などを、気軽に話し合える場になればと存じます。多くの皆様の一般演題のご応募と学術集会へのご参加をお待ち申し上げております。