第67回関西胸部外科学会学術集会(The 67th Annual Meeting of Kansai Thoracic Surgical Association)

会長挨拶

会長

第67回関西胸部外科学会学術集会
会長 安田 卓司
近畿大学医学部外科学教室上部消化管部門 主任教授

このたび、第67回関西胸部外科学会学術集会会長を拝命し、令和6年(2024年)6月13日(木)、14日(金)の両日、グランフロント大阪北館の地下にある、ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンターにて開催させて頂くこととなりました。歴史と伝統のある本学術集会の会長を務める機会を頂きましたことを大変光栄に存じますとともに、責任の重さに身の引き締まる思いであります。

日本胸部外科学会には5つの地方会があります。北海道、東北、関東・甲信越、九州の地方会と関西胸部外科学会です。中でも本学会の対象地域は、東海、北陸、中部、近畿、中国、四国と非常に広範囲にわたり、未来の胸部外科を支える次世代の育成という点ではその役割は非常に大きいと言えます。しかし、外科医が減少する中で2024年度から始まる『医師の働き方改革』は、労働環境の厳しさから胸部外科領域を目指す医師の減少に拍車をかけるのではないかという懸念があり、労働環境の更なる悪化と医療および研究の質の低下が危惧されます。それを避けるためには、医療の効率化やタスクシェアだけでなく、外科医の人数を確保することが根本的に重要です。そのため、本学術集会においては積極的に若い外科医に発表の機会を与えて参加を募り、経験のある先輩外科医が生き生きとした姿を彼らに示しながら胸部外科の魅力を伝えて頂きたいと思います。そして、彼らの発表に対しては温かい心をもって指導して頂き、ポジティブな経験を積んでもらうことで胸部外科により興味を持って頂ければと考えています。

現在、日本胸部外科学会ではJATS-NEXTという次世代を担う若手組織を立ち上げて精力的に活動を始めており、2024年1月27日にはJATS-NEXT Annual Conference (J-NAC)が本学術集会と同じグランフロント大阪北館にある8階のカンファレンスルームで開催される予定です。私もJATS-NEXT委員会の副委員長として応援していますが、是非とも本学術集会においてもJATS-NEXT関西支部の先生方の積極的な参加、発表、質疑を期待する次第です。

第67回関西胸部外科学会学術集会も、第1回J-NACも、ここ大阪北の梅北ヤード横のグランフロントから発信します。今、この梅北ヤードは未来に向けた関西の新拠点として期待されて開発が急ピッチで進んでいるところです。我々関西胸部外科学会も未来志向的に発展する夢のある街と共に大きく羽ばたいていきたいという願いを込めて、本学術集会のテーマを“Embracing the Future of Thoracic Surgery”とさせて頂きました。働き方改革、厳しい労働環境、低い労働対価、・・・後ろ向きに考えるのは止めて、私達で若手外科医とともに未来の胸部外科に向かってポジティブに取り組んでいきたいと思います。幾多の苦難を乗り越えて日本の胸部外科は世界一の成績を示すに迄発展してきました。ここで終わらせてはなりません。今、医療はロボット支援手術を始めとする低侵襲外科の普及や免疫チェックポイント阻害薬の新規導入により大きくパラダイムシフトしています。我々も思考や働き方をパラダイムシフトして明るい未来を作っていきたいと願っています。

さて、漸く長く、暗いトンネルであったCOVID-19 pandemicは落ち着きを見せ、以前の日常が戻りつつあります。学術集会や研究会も現地開催が増え、やはりface to faceでの意見交換の有用性を実感しているところです。本学術集会も当然現地開催の予定で、来年も多くの先生が大阪に集い、領域や年齢を超えて交流し、未来に向かって歩んでいけたらと思います。丁度2024年の夏頃に、隣接する梅北ヤードの一部街開きが予定されています。運が良ければ学術集会の時には賑わいを見せているかもしれません。昼は学術集会、夜は新しい梅田の象徴の梅北で“なにわ”を満喫して頂ければと思います。それでは多くの先生の演題登録、そして現地参加を教室員一同、心よりお待ち申し上げます。

2023年10月吉日

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