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ご挨拶

 

第47回日本救急医学会総会・学術集会を開催させていただくにあたり、多くのご支援とご協力をいただきました会員の皆様に、心から感謝申し上げます。本学会の会長として、諸先輩の襷を繋ぐことに身の引き締まる思いがいたします。

平成が終わり令和の時代となり、日本はいま、大変革期を迎えています。少子高齢化の波が押し寄せる中、人々が健康で豊かな100年の人生を過ごすため、何を成すべきか、何が出来るかを考えないといけません。救急医療・医学を志す我々も、診療だけではなく、研究・教育に多様性や独立性が求められます。そのためには、過去を顧み、現在を検証し、未来へ向けてパラダイムシフトを起こしていく必要があります。

今回のテーマは、「不断前進、救命救急 今、ふたたび「仁」」としました。救急医療は「医」の原点であり、すべての国民が生命保持の最終的な拠り所としています。我々救急医は、消えようとしている命の灯を照らし続けるために、最後まで諦めずに患者に寄り添い救命医療を行っています。順天堂大学は人を思いやり慈しむ気持ちを大切にする心「仁」を学是に掲げ、現状に満足せず常に高い目標を目指す「不断前進」を理念としています。学是の「仁」、理念の「不断前進」は、我々が歩んできた救急医療・医学に通じています。

今回の学術集会では、特別講演をはじめ、シンポジウム、パネルディスカッション、ワークショップ、教育講演などを企画いたしました。特にシンポジウム「不断前進シリーズ」では、病院前診療、心肺蘇生、外傷診療、敗血症診療、中毒診療、熱傷診療などの救命医療の最前線について議論し、最終日に「不断前進 救命救急」として総括していただく予定です。海外からは、Jerry J. Zimmerman先生にショックと侵襲、Ping Wang先生に敗血症の基礎研究、Mark W. Bowyer先生に戦傷外科、Niann-Tzyy Dai先生に熱傷災害、そしてYuka Sumi先生に先進国の高齢者医療についてお話いただきます。 また、特別講演として、村上 もとか 先生(漫画家)、鈴木 大地 先生(スポーツ庁長官)、金井 宣茂 先生(JAXA宇宙飛行士)、小路 明善 様(アサヒグループホールディングス株式会社代表取締役社長兼CEO)、佐々木 経世 様(イーソリューションズ株式会社代表取締役社長)、 永嶋 悦子 様(株式会社オリエンタルランド)、山本 修三 先生(一般社団法人Medical Excellence Japan前理事長)、家田 真樹 先生(筑波大学医学医療系循環器内科)より、それぞれの領域の最前線のお話をいただきます。 さらに市民公開講座では、「敗血症ってどんな病気?なぜこわいの?」と「みんなでPUSH!AEDと胸骨圧迫を学ぼう!」を企画し、多くの人々に救命医療の最前線に触れてもらい、救急医療に対する理解を深めていただきたいと思います。

多くの企画の下、多数の演題を応募して頂きました結果、演題総数は1800題近くにのぼります。その結果、会場数が多くなりご不便をおかけすることがあるかとは思いますが、何卒ご容赦いただき、ご支援・ご協力のほどお願い申し上げます。是非活発な議論をしていただき、明日の救急医療に活かしていただければ幸いです。多くの皆様方のご参加をお待ちしています。

令和元年7月吉日

第47回日本救急医学会総会・学術集会	会長 田中 裕(写真)

第47回
日本救急医学会総会・学術集会

会長 田中 裕

順天堂大学大学院医学研究科
救急災害医学 教授