第66回日本視能矯正学会 The 66th Annual Meeting of the Japan Orthoptic Congress

学会長挨拶

第66回日本視能矯正学会
学会長 岡 真由美
(川崎医療福祉大学 リハビリテーション学部 視能療法学科 教授)

この度、第66回日本視能矯正学会を17年ぶりに岡山の地で開催することとなりました。開催にあたりまして、公益社団法人日本視能訓練士協会の関係者の皆様のご尽力、会員の皆様のご支援とご協力に心より感謝申し上げます。

さて、少子高齢社会、地域共生社会の現代、そして人生100年時代にむけて、視る日常生活の質(QOVL)の向上と維持は重要な要素の一つです。そのような状況において、視能訓練士が人々の視能を支援する役割は大きいといえます。

そこで、本学会のメインテーマは「これからの視能支援を考える」といたしました。視能矯正の対象は両眼視機能障害に限らず、すべての視能障害であり、その領域は医療から福祉、保健、教育などへと広がりをみせています。この広がりをさらに進展させるよう、社会の変遷とニーズに応じた視能矯正のあり方を考え、幅広い領野で活躍する視能訓練士が視方向の共通性を図る学会となれば幸いです。

特別講演では、「斜視診療における視能訓練士の役割」について浜松医科大学 教授 佐藤美保 先生にご講演いただきます。斜視視能矯正は、両眼視機能の管理と眼位コントロールにより、小児の視能発達を促したり、成人のQOVLの向上を図る目的があります。視能訓練士がより専門性を求められる領域であり、今後の展望についてご講演をいただく予定です。

教育講演では、「半側空間無視のリハビリテーションと視能矯正」について川崎医科大学リハビリテーション医学教室 准教授 平岡崇 先生にご講演いただきます。視能矯正はリハビリテーションに隣接する領域であり、高次脳機能障害に対する視能面からのアプローチを考える機会として半側空間無視や視覚失認などの病態や評価、介入方法についてご講演いただきます。

シンポジウム1のテーマは「これからの視能矯正の展開」とし、学会のメインテーマに直結する内容について企画しました。両眼視機能障害、発達障害、ロービジョン、地域医療などの各領域で活躍されている視能訓練士に、現在の取り組みとさらなる展開にむけての連携のあり方などについてご講演いただきます。

シンポジウム2のテーマは、「視能を支援する眼科画像評価-Tips and Pitfalls-」としました。眼科画像検査の技術は急速な進歩を遂げており、眼科診療において欠かせない位置づけにあります。視能訓練士が提供する画像評価は、最適な眼科医療につながり、患者の視能の維持と向上を支援する視能矯正の一領域をなしています。視能訓練士が患者の生活機能を向上、維持する役割をもつ側面から解説していただきます。

また、一般口演、学術展示の他、オンデマンド配信による共催セミナーなど、本学会が皆様にとって有意義なものとなるよう、鋭意準備をすすめております。晴れの国 岡山で、多様な視能に対する支援の実践や課題についてディスカッションできることを楽しみに、多数の皆様のご参加をお待ち申し上げます。