会長挨拶
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第32回日本心臓リハビリテーション学会学術集会
会長 吉田 俊子(聖路加国際大学 大学院看護学研究科 教授)
この度、第32回日本心臓リハビリテーション学会学術集会の会長を仰せつかりました。
2026年7月18日(土)、7月19日(日)の2日間、幕張メッセ(千葉市)において開催致します。32年の日本心臓リハビリテーション学会学術集会の歴史の中で、初の看護職であり、また初の女性会長となります。副会長には、前理事長にて本学会監事の牧田茂先生、理事の横井宏佳先生がその労をお取りくださいます。歴史ある本学会の学術集会長を行わせていただくことは大変光栄であり、魅力あるプログラムを鋭意準備しております。
2025年7月現在、本学会会員は16000人を超えており、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師、薬剤師、管理栄養士、臨床心理士、健康運動指導士などの多くの職種で構成されています。さらに、心臓リハビリテーションの重要性から、携わる職種は益々広がりをみせています。高齢者のフレイルを防ぐために重要な口腔機能の維持管理から、歯科医師や歯科衛生士や言語聴覚士、超急性期からの機器管理を協働する臨床工学技士、療養の場の継続に伴うケアマネージャーや社会福祉士などの多くの連携の基で心臓リハビリテーションは行われています。また、対象となる患者さんも広がりをみせ、脳卒中、がんなどの併存疾患など、より複雑化した症例へのアプローチが求められています。さらに、遠隔心臓リハビリテーションやAIの登場など様々な新たな方法や機器には、産業界との協働もこれからの発展の重要な鍵となります。
このように心臓リハビリテーションは、その発展にむけ多くの広がり、進化の途上にある医療といえます。しかしながら、どのような変化がもたらされても、心臓リハビリテーションを通して、その人らしい生を送れるように患者・家族と医療者が協働していく姿は、心臓リハビリテーションの核そのものです。我々医療者は、心臓リハビリテーションの力を理解し、患者さん・ご家族に寄り添い、日々の診療やケア、研究に取り組んでいます。今回の学術集会のテーマは、その心臓リハビリテーションへの思いを込めて「We Love Cardiac Rehabilitation !」といたしました。
学術集会では、欧米やアジアのエキスパートを招聘するとともに、今回よりイングリッシュセッションを設け、海外からの研究報告や留学生の発表機会をつくり、学術集会の国際化を推進して参ります。そのため一部の会場では終日、日英同時言語表示を行う予定です。また、市民公開講座は、別日にて、横井宏佳先生と私の故郷である石川県金沢市にて長期化する令和6年能登半島地震被害からの早期復興を祈り開催する予定といたしております。
本学会が我が国の医療やケアの質向上、医療者の現任教育や未来の医療者教育にも多大な貢献をする学術集会であることを確信して、鋭意準備を進めております。
多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。