演題募集

高安動脈炎の病態・診断・治療の最新情報を識る

セッション概要

高安動脈炎(TAK)は日本人の若年女性に多く、大動脈とその主要分枝血管に狭窄・閉塞、拡大・瘤などのリモデリングをきたす厚生労働省指定難病です。TAKは若年女性が大動脈瘤や大動脈弁閉鎖不全などで外科手術や血管内治療を受ける可能性のある疾患で、早期発見、早期治療が重要となります。内科治療の中心はステロイドですが、日本では抗IL-6受容体抗体のトシリズマブも保険診療下で使用可能となっています。診断ではFDG-PETCTが保険診療下で施行可能となり、TAKの診断・治療は非常に進歩しつつあります。本シンポジウムは、TAKの最新情報を血管病専門の先生方と議論する場にしたいと思います。

血管疾患のゲノム、トランスクリプトーム解析

セッション概要

近年、次世代シークエンサーの普及、解析技術の発展に伴い、ゲノム解析、トランスクリプトーム解析が飛躍的に進歩している。さらに、シングルセル化の技術の発展に伴い、1細胞レベルでのトランスクリプトーム解析を行うことが可能になった。本シンポジウムでは、心血管疾患について、様々な角度から最新のゲノム、トランスクリプトーム解析を用いた研究を発表頂き、活発な議論を行いたい。

急性冠症候群の発症要因とその画像解析の最前線

セッション概要

生体内イメージング技術の進歩により、急性冠症候群の発症機序は、プラーク破裂だけではなく、びらん、石灰化結節など多彩であることが明らかとなってきた。しかし、いずれも発生機序に関しては不明な点が多い。また新しい技術を用いたイメージングデバイスが登場し、新たな知見が報告されている。本シンポジウムは、最新の急性冠症候群の画像診断および解析に注目し、急性冠症候群の発症機序に迫りたい。

血栓後症候群の適切な発症予防とその治療

セッション概要

我が国での、深部静脈血栓症後の血栓後症候群の発症率、予防法、予後は報告がまだ少なく、新規経口抗凝固薬、発症後圧迫療法などの意義の解析も進んでいない。また本年に認可される血栓除去デバイス、静脈ステントによる早期血栓除去の意義も明らかではなく、発症後の血管内治療の意義についても報告いただきたい。

脈管学の実践を支える血栓止血学的検査

セッション概要

脈管学の臨床・研究における血栓止血学的検査の重要性は疑う余地のないところであるが、教科書で目にする複雑な凝固カスケードのためか、専門としない医師や研究者にハードルを感じさせる側面もある。検査現場で扱うルーチン的な検査、手術現場でオンタイムに実施する検査、実臨床への応用が期待される新しい検査について現状と課題を整理し、議論と情報の共有を図るのが本シンポジウムの目的である。

遠隔期を見据えた慢性B型解離の治療選択と工夫

セッション概要

慢性B型大動脈解離は真性瘤と比べると若年で手術に至る場合が多い. 各施設で手術方法はさまざまであるが, 短期成績はいずれも比較的安定している. そこで遠隔期の再手術やQOLの観点も踏まえた手術方法を再考する.

persistent type2エンドリークに対する対策

セッション概要

ステントグラフトの初期成績は良好であるが、しばしば遠隔期に追加治療を要する。Type 2エンドリークに対しては経過観察が基本とされてきたが、瘤径拡大をきたす場合も少なからず存在する。そこで、persistent type 2 エンドリークの予防策と慢性期における治療介入に関し議論を深めたい。

脈管領域の核医学診断最前線

セッション概要

核医学検査は、生体内で標的分子を可視化し、疾患との関連を明らかにできる。薬剤合成技術の進歩に伴い様々な分子を標的化することが可能になった。代表的なものとして、糖を標的としたFDGは動脈炎の臨床診断に一役を担っている。近年では微小石灰化を標的とするNaFも注目され、動脈瘤の研究に応用されている。本セッションでは現在注目されている分子と、すでに臨床応用されている代表的なトレーサーについて専門家よりご講演頂く。

脈管領域のCT, MR診断の最前線

セッション概要

CTやMRの進歩は早く、CTではAI再構成、2重エネルギーCT、フォトンカウンティングCTなどの技術を用いて、被ばく低減、スペクトラルイメージング、高分解能化などの検討がなされている。MRではAI再構成、compessed sensing、４D flowなどの技術を用いて高画質化、撮影時間短縮、仮想シミュレーションなどの検討がなされている。また、CTやMR診断にAIを活用する研究も進みつつある。本セッションではCTやMRの比較的新しい技術の現状を討論することを目的とし、演題を一部公募としたいと思います。

【下記は指定演者のみのセッションとなります】

脈管領域における腫瘍循環器

セッション概要

血管新生はがん細胞の増殖や浸潤、転移に必須であり、腫瘍免疫とも密接に関連性している。血管新生はがん治療の重要な標的の一つであり、血管新生阻害薬はがん患者の予後改善に大きく貢献しているが、一方で心血管合併症も大きな問題となっている。本シンポジウムでは、がん微小環境における腫瘍血管やリンパ管の特性を探り、脈管をがん治療のためにどのように攻め、脈管を合併症からどのように守れば良いのか、腫瘍循環器の視点から討議したい。

内臓動脈瘤に対する治療戦略

セッション概要

内臓動脈瘤は比較的稀な疾患だが、近年は画像診断の進歩により発見される機会が増加している。ひとたび破裂すると致死率の高い疾患だが、発生部位、病因、形態やサイズなどの破裂リスクや、それに応じた手術適応に関するエビデンスは乏しい。また血管内治療やopen surgery、ハイブリッド手術など、発生部位や併存疾患などを考慮した適切な治療戦略が求められている。このセッションでは本邦における内臓動脈瘤（腎動脈瘤を含む）に対する最新の知見や治療の現状を示していただき、さまざまな角度から議論していただきたい。

集学的CLTI治療の最前線

セッション概要

下肢虚血のみならず、組織欠損、神経障害、感染、足部変形などの肢切断リスクをもち，治療介入が必要な病態であるCLTIの治療においては、血行再建のみならず、創傷治療、免荷療法、理学療法、装具療法など、それぞれ専門家の協力による集学的治療が必須である。
本セッションにおいては、それぞれの専門家の最新の知見を解説していただくとともに、他種職の能力を共有しお互い意見を交わすことにより、治療ゴールを踏まえたCLTI治療について討論していただきたい。

リンパ管疾患の診断と治療の最前線

セッション概要

リンパ系疾患の診断，治療は他の脈管の比較して遅れてきた．近年新たなリンパ管造影やMRIの進化によりリンパ浮腫やリンパ漏の画像化が可能となった．リンパ浮腫はリンパ管静脈吻合が極めて有効な治療法となり，術後のリンパ漏はリンパ管造影にてリーク部の同定とIVRによる治療も報告されている． Fontan術後の鋳型状気管支炎や蛋白漏出性胃腸症はリンパの逆流が原因の一つでありIVRでの新たな治療が報告されている．本セッションでは現在の最新のリンパ系疾患の診断と治療を網羅して報告する．

大動脈瘤その他の血管異常に伴う凝固異常・DIC

セッション概要

大動脈瘤をはじめ血管異常において出現する凝固異常・DICは線溶亢進が特徴的に認められるが、線溶優位のDICをきたす急性前骨髄性白血病などの疾患と比べて、その機序・成因は不明である。診断治療に関するガイドラインもまだ確立されていない。現状と課題についての議論を共有するための症例報告および講演で構成される本セッションは、大動脈瘤その他の血管異常に伴う凝固異常・DICの特性に関する理解の深化を通じて実臨床の発展につながることを目指す。

正中弓状靱帯圧迫にともなう血管病変

セッション概要

正中弓状靱帯症候群(MALS)は多くの場合腹腔動脈根部上面が呼気時により強く圧迫にされることにより食後腹痛などを生ずる病態であるが、上腸間膜動脈からの側副路として血流負担の増す膵アーケードの動脈瘤破裂や腹腔動脈解離などを生ずると重篤となりうる。その疫学や瘤化、解離などの発生頻度、年齢分布、塞栓術などの対症療法、靭帯切離による根治術、バイパス術など未だ確立しているとは言えない。多くの場合、CTにより診断可能であるが、将来的には非侵襲的なCDUSで成人前にスクリーニングし、腹腔鏡下早期切離による器質的閉塞および瘤化の予防につなげるべく現時点でできることを提言したい。

血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン改訂とこれからの診療

セッション概要

2023年3月末に、血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン改訂第3版が出版された。前回の2017年版から大きな変化がいくつかあり、今後の診療の方向性に影響は大きいと考えられる。新旧ガイドラインの責任者の先生方に座長を、それぞれの項目のCQ担当の先生方に各疾患につきお話を頂けると良いと考えます。

透析患者における脈管治療最前線

セッション概要

長期血液透析患者における難治性血管病変に対する治療成績向上は診療科を問わず臨床脈管医にとって積年の課題である。LEAD治療においてはDCBやアテレクトミーデバイスの発展、あるいは血液浄化器であるレオカーナが登場し着目されている。また、血管アクセストラブルに対する治療法もDCBやステントグラフトの適応により格段に進歩している。本セッションでは末梢血管、大動脈、そして血管アクセスなどの各分野において透析患者に対する最新の治療法や成績を示し議論していただきたい。

血行再建術後（末梢）の抗血栓療法

セッション概要

末梢動脈疾患に対する血行再建後の抗血栓療法の目的は、心血管イベントの抑制である。しかし、抗血小板薬の単剤療法はエビデンスがあるものの、2剤併用療法は、十分なエビデンスがあるとは言えない。また最近ではVOYAGER PAD試験により、単剤療法に少量の抗凝固薬の併用が推奨されている。そこで、本セッションでは、今後これらを各領域において、どのように使い分けて行くべきなのか、論じてほしい。

非動脈硬化性末梢血管疾患の診断と治療

セッション概要

下肢虚血性疾患の多くは、動脈硬化性疾患により生じる。しかしながら、若年で閉塞性動脈硬化症の危険因子がない症例では、非動脈硬化性疾患を考慮する必要がある。 本セッションでは、主な非動脈硬化性疾患として、膝窩動脈捕捉症候群、膝窩動脈外膜嚢腫、血管炎、バージャー病を取り上げ、最新の知見を含めて概説するとともに、その診断と治療について注意すべき点を討論いただきたい。