第56回(2025年度)日本看護学会学術集会開催にあたって
第56回(2025年度)日本看護学会学術集会は、9月12日(金)から14日(日)の3日間、愛知県名古屋市のポートメッセなごやで開催いたします。
本学術集会のメインテーマは、最適な看護をマネジメントする ~「よい看護」を「どこでも」「ずっと」~です。様々な場で活躍する全ての看護職に求められるマネジメントについて、皆様と改めて考える機会にしたいと考え、企画しました。マネジメントは「管理職が行うもの」と捉えられがちですが、看護職の行う看護実践には、「よい看護」を「どこでも」「ずっと」提供するためのマネジメントが常に行われています。また、これからの時代は、各施設の中での看護をマネジメントするということだけでなく、人々の暮らすその地域全体の看護をマネジメントする視点も欠かせません。
日本看護協会は2025年6月に「看護の将来ビジョン2040~いのち・くらし・尊厳を まもり支える看護~」を公表しました。また2040年ごろを見据え、国で検討が進められた「新たな地域医療構想」のとりまとめでは、入院医療だけでなく、外来医療・在宅医療、介護との連携等を含む、医療提供体制全体の課題解決を図るための新たな地域医療構想の策定を目指すとされました。
2040年までに想定される社会や、医療の変容を踏まえ、保健・医療・福祉サービスに関わる専門職は、それぞれの専門性を軸に、質を担保しながら、今まで以上に役割発揮していくことが求められます。とりわけ、人々の最も身近にいる看護職は、その人らしい生き方を支援するという看護の不変の理念に基づきかつ変化に即した大胆な発想の転換をもって、それぞれの生涯にわたり健康な生活の実現に貢献することが期待されています。療養の場が多様化する中で、対象の状態を自律的に判断し、より安全かつ適切なタイミングで必要な看護を提供していくためには、看護職が専門職としての責任・意識を持つことが不可欠です。これこそが、最適な看護をマネジメントすることであり、これからの多様な時代においては、「よい看護」を「どこでも」「ずっと」提供することの保障となります。
本学術集会は、日々の看護実践に欠かすことのできないマネジメントをとりあげ、変化していく社会においても、「よい看護」を「どこでも」「ずっと」提供していくための新たな気づきを得ていただくよう、企画いたしました。
本学術集会は、日本看護協会からの最新の国の政策動向等についての情報を得られること、そして、様々な場で働く看護職が一堂に集まり、意見交換できることが特徴です。新たな看護を創造し、活発に議論する場となることを期待しております。
2025年7月1日
第56回(2025年度)日本看護学会学術集会
会長 秋山 智弥
(公益社団法人 日本看護協会会長)
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