大会長挨拶

加賀谷 斉

第10回日本ボツリヌス治療学会学術大会

大会長 加賀谷 斉

国立長寿医療研究センター リハビリテーション科部

第10回日本ボツリヌス治療学会学術大会の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。

本学会はボツリヌス療法およびその対象病態に関する研究発表と情報交換を通し会員の知識と臨床応用能力の向上をはかり、社会に良質の医療を提供することを目的として設立された学術団体です。ボツリヌス治療は非常に有効かつ画期的な治療法であることが知られておりますが、治療には一定のスキルが必要です。ボツリヌス治療が行われる病態は多岐にわたるため、本会会員も脳神経内科、リハビリテーション科、脳神経外科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科、小児科、皮膚科、形成外科・美容外科、泌尿器科、麻酔科、歯科口腔外科など多領域にわたる医師や理学療法士、作業療法士などのコメディカルスタッフ等により構成されています。

残念ながらここ2年間は新型コロナウイルス感染症のために現地開催を断念せざるを得ませんでした。しかし、今年は5類に移行のために3年振りに現地開催が可能になります。現地で実際にup to dateな知識や技術を吸収できることは非常に喜ばしいことと考えております。

今回は第10回という区切りになる学術大会でもあり、テーマを「ボツリヌス療法の未来」とさせていただきました。未来に向かってわれわれが進むべき道筋について活発なディスカッションが行われることを期待しています。学会では例年通り教育講演、シンポジウム、スキルアップレクチャー、ハンズオンセミナー、一般演題を予定します。

これまで学会は東京開催でしたが、今回は初めての地方開催であり、名古屋市のウィルあいち(愛知県女性総合センター)で行います。ボツリヌス治療は決して一部の医師によって行われるべき治療ではなく、一定のスキルを獲得した上で各科の多くの専門医に行ってほしい治療法です。そこで、これから専門医を目指す各科の専攻医の参加を無料にいたしました。専攻医のうちに正しいスキルを身につけて近い将来に専門医として活躍してもらえることを願っています。また、ボツリヌス療法は医師だけで完結するものではないことから、コメディカルの方にも数多く参加いただけることを期待しております。

今回の研究会が、参加者の皆様方のこれからの臨床や研究のお役に立つことができれば本望です。多くの方々にご参加いただけるよう、お待ちしております。

2023年4月吉日

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