会長挨拶

大会長 齋藤 豪

第59回日本臨床細胞学会総会 春期大会

大会長 齋藤 豪

(札幌医科大学医学部 産婦人科学講座 教授)

このたび2018年第59回春季大会の会長を担当させていただくことになりました。私は昭和61年札幌医科大学を卒業後に日本臨床細胞学会に入会し、諸先輩の指導を受けながら平成5年に細胞診指導医を取得して現在まで日本臨床細胞学会の活動に参加してきました。これらの活動を通じ私が日本臨床細胞学会に対して感じていることは、臨床医にとって学会そして細胞診断が遠い存在になりつつあるのではないかという危機感です。私が属している婦人科領域においても、HPV検査をはじめとし、癌の早期診断の手法として細胞診以外にも新しい技術が開発され、細胞診の重要性が相対的に低下していると思われつつあるのではないか、その辺が私の漠然とした危機感です。それを克服するのは日本臨床細胞学会に与えられた使命であると考えます。次世代シークエンサーの普及によって遺伝子の網羅的解析が容易に行われるようになりました。このような新しい手法を取り入れた細胞診断を学会が率先して提案することが大切と考え、本会のテーマを「癌の早期診断の手法としての細胞診と新技術の融合」としました。そのためには細胞診断を用いる一人一人に細胞診に対する深い知識が必要です。また、若い臨床医や検査師に細胞診に興味を持ってもらえ、専門医には知識をリフレッシュする機会を作る、そういう学術集会を実現したいと考えております。

札幌での本会の開催は1998年に当講座の工藤隆一名誉教授が開催して以来20年ぶりになります。教室員一同また北海道臨床細胞学会会員一同、本会の開催を非常に待ち遠しく思っておりました。6月の札幌は長い冬が明け一斉に初夏を迎える、北海道のベストシーズンです。学会場は札幌市の中心部札幌芸文館+ロイトン札幌。是非とも会員の皆様がこぞって参加されることを願っております。

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