会長挨拶

川合 宏哉

一般社団法人日本心エコー図学会第35回学術集会

会長 川合 宏哉

兵庫県立はりま姫路総合医療センター 副院長、心臓血管センター長

(一般社団法人日本心エコー図学会 理事)

一般社団法人日本心エコー図学会第35回学術集会を、2024年4月19日(金)から21日(日)の3日間にわたり、アクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター)において開催させていただくことになりました。

日本心エコー図学会の歴史は、1989年11月に学会の前身として日本心エコー図研究会が創設されたことに始まります。初代理事長を務められた故吉川純一先生が心エコー図学の進歩、発展、臨床応用、教育のために学会を作ることに尽力され、当初は766人の会員が集まり研究会として発足しました。1994年に研究会から学会になり、現在5,500人を越える学会に育っております。第1回学術集会は吉川純一先生が会長を務められて1990年5月に神戸で開催されました。当時としては先進的な僧帽弁逸脱の手術ライブデモンストレーションが企画され、心エコー図医と心臓血管外科医の熱い議論がありました。その後、年月を重ねて、日本心エコー図学会は講習会を開催し、認定専門技師制度、認定専門医制度を整備して、心エコー図学の教育、人材育成に大きく貢献してきました。そして学会活動を盛んにして組織を固め、2016年2月には一般社団法人に移行しました。また学術集会における米国心エコー図学会(ASE)、欧州心血管画像学会(EACVI)、韓国心エコー図学会(KSE)とのジョイントセッションを始めとして多数の国際交流活動を積極的に進めました。このような歴史と実績のある日本心エコー図学会の学術集会会長を務めさせていただけることを大変光栄に存じますとともに、その責任の重さを感じます。

私が超音波検査を始めたのは1986年でした。プローブは大きくて持ちにくく、超音波装置自体も大きくて重厚な感じさえありました。記録はVHSビデオに動画を保存していましたが、学会・研究会でのスライドは静止画像で発表していました。心エコー図の情報を伝えるためには、一枚の静止画像にできる限り多くの情報を盛り込むように画像を撮る、そして一枚の静止画像から何が読み取れるかを考える、このような画像へのこだわりがあるからこそ、画像診断法がおもしろいと思うのです。その後、超音波機器の性能は向上し、記録はアナログからデジタルへ移行し、発表は動画像が主流となりました。もちろん、動画像の方が静止画像より情報量が豊富で、伝える力は大きいものがあります。しかし、現在の便利な時代であるからこそ、情報量の詰まった一枚の静止画像を、もう一度大切にしたいと思います。今回の学術集会は『心エコー図のクオリティを追い求める』をテーマにしました。『クオリティ』の意味には、画像のクオリティが最も重要な要素ですが、ドプラやストレインなどの波形のクオリティもあります。この画像や波形のクオリティはきれいな、明瞭な画像という意味以上に、質的に情報量の多い、という意味を伝えたい、と考えます。さらにクオリティの意味には、画像や波形を記録するクオリティ、計測や解析、読影や知識のクオリティもあります。『クオリティ』を再度、意識しながら、新しい心エコー図の技術や概念をふんだんに盛り込んだ発表を行っていただきたいと思っています。

本学術集会は姫路での現地開催を主体とし、オンデマンド配信を加えた形式で開催する予定です。新型コロナウイルス感染症の状況は予測することが難しいですが、感染症法上の位置付けも変わりました現状を踏まえて、みなさんに姫路にお越しいただいて、対面での発表と活発な議論を行っていただけるように準備を進めてまいります。

会場となるアクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター)は2021年9月にオープンしたばかりで、姫路出身のファッションデザイナー 髙田賢三さんがデザインした緞帳を有する素晴らしい会場です。そして姫路には世界遺産である姫路城があります。また瀬戸内の魚介と播磨のお酒を是非、楽しんでください。参加される皆さまが心エコー図に関連する最新の知識を得て、明日からの診療や研究にさらなる糧としていただくとともに、姫路を十分に満喫していただけるような、思い出に残る学術集会になるように努めてまいります。会員の皆さまにおかれましては、新緑の春に姫路にお越しいただき、この学術集会を大いに盛り上げていただきますようお願い申し上げます。

皆さま方の多数のご参加を心よりお待ちしています。

2023年5月

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