ご挨拶

第39回日本老年泌尿器科学会
会長 溝上 敦
(金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 泌尿器集学的治療学 教授)
この度2026年5月29日(金)〜30日(土)の2日間、石川県立音楽堂、ホテル日航金沢、金沢市アートホールにて第39回日本老年泌尿器科学会を開催させていただくことになりました。石川県では初めての開催で、大変光栄なことであり、医局員一同、会員の皆様には厚く御礼を申し上げます。
本学会のメインテーマは「安寧な長寿のために〜超高齢化社会の先を見据えて〜」とさせていただきました。日本は世界で最も早く超高齢化社会となってしまいましたが、さらに少子化が進んでいます。また石川県では能登半島地震のため、能登北部において超高齢化社会が急速に進んでいる状況です。
人間は高齢になってしまうと、当然新陳代謝が衰え、細胞の活力も低下します。病気になっても、その病気からの回復力も衰えます。高齢になればなるほど患者は多くの合併症を抱え、ポリファーマシーの問題も考えなければなりません。また、サルコペニアやそれに続くフレイルも併存しており、治療に影響を与える大きな問題となっています。つまり同じ疾患、病状であっても若年者と高齢者では対処法が異なり、通常以上に神経を働かせて慎重に対処していかなければなりません。それが超高齢化社会では、その割合が高くなり、多くの医療資源を投入する必要も出てきます。
本学会では安寧をめざしながらも長寿を全うできるように、様々な泌尿器疾患に関する高齢患者への対処法を考えていきたいと思います。サルコペニア、フレイルの予防も重要な課題となってきます。また同時に、高齢者に対して多くの多種職の医療従事者が関与していかなければなりません。これらの課題に対してしっかりと取り組んでいきたいと思います。
本学会の開催時期は梅雨前の比較的過ごしやすいタイミングだと予想しています。新緑の兼六園・金沢城公園をはじめとする名所や、おいしい料理や日本酒も堪能できると思います。医局員一同、しっかりと準備を進めて参りますので、心より皆様のご参加をお待ちしております。