Myriad

大会長挨拶

櫻井 晃洋

日本人類遺伝学会第69回大会
会長 櫻井 晃洋
札幌医科大学医学部遺伝医学

このたびは日本人類遺伝学会第69回大会の大会長を拝命し、大変光栄に存じます。本大会を、旭川医科大学病院遺伝子診療カウンセリング室の蒔田芳男先生、北海道大学病院臨床遺伝子診療部の山田崇弘先生のおふたりに副大会長をおつとめいただき、2024年10月9日(水)~12日(土)の日程で、札幌市のグランドメルキュール札幌大通公園(旧ロイトン札幌)を会場に開催いたします。

ゲノム解析技術の革新的な進歩に伴って、人類遺伝学は近年爆発的な進展をとげてきました。私が現在の札幌医科大学に着任してまだ10年ほどに過ぎませんが、その当時の遺伝医学・医療と現在のそれを比べるとまさに隔世の感があります。ゲノム情報が医療に実装され、過去には治療法がなかった疾患でも患者さんやご家族が希望を持つことのできる治療法が実現してきました。また、大規模データベースの充実により、集団遺伝学、人類学の領域の知見も急速に蓄積しています。一方、急速に進歩する分野は同時に熾烈な国際競争の現場でもあります。わが国がゲノム医科学において、そしてゲノム情報を活用した医療において、どのように世界に向けて発信していくのかが問われています。発信のないところに前進はなく未来もありません。

今回の学術集会のテーマは「ひととゲノムの新時代」としました。「ヒトゲノム」の新時代ではなく、生物種としての「ヒト」はもちろん、同時に社会を生き社会を構成する「ひと」とゲノムとのかかわりを探求したいという思いを込めたものです。将来的にすべての人々が個人のゲノム情報を手にし、それをもとに疾患の治療や予防、健康管理を行う時代が来ようとしています。今回の大会はそうした「新時代」を見据えて現在を共有し、将来を考える場にしたいと思い、日本の人類遺伝学をリードする多くの先生方にプログラム委員をお願いしました。これらの先生方とともに、皆さまにご満足いただける大会とすべく準備を進めています。

昨年の大会はHuman Genetics Asia 2023として、アジアを中心に多くの海外からの参加者を迎えて大変な盛会となりました。今回もまた多くの海外からの方々に参加していただきたいと考え、抄録やポスターはすべて英語とし、一部の口演も英語とする予定です。

北海道の10月は本州以南の日本の秋を先取りし、さわやかな空気があふれ美味に満たされる季節です。大会終了後は連休にもなっています。二名の副大会長、札幌医科大学のスタッフを含め、オール北海道で多くの皆さまをお迎えいたします。

多くの皆さまのご参加をお待ちしております。

ページトップ