第64回日本母性衛生学会総会・学術集会

会長挨拶

第64回日本母性衛生学会総会・学術集会
会長:大橋 一友
(大手前大学 国際看護学部 教授)

 第64回日本母性衛生学会総会・学術集会を担当させていただきます大手前大学国際看護学部の大橋一友です。学術集会の準備状況を報告させていただきます。
 本学術集会長を拝命したのは今から2年前で、新型コロナウイルス感染症の第4波の時期でした。その時に、現在の社会情勢を想像することはできず、楽観的な意見と悲観的な意見が混ざっている状況で学術集会の準備を始めました。その後の新型コロナウイルスの蔓延に伴い、学会員の皆さまは混乱した医療現場や教育・研究現場で働かれていたにも関わらず、この度、359演題の登録がございました。学会員の皆さまのご努力に感謝すると同時に、本学会の底力を感じております。

 本学術集会ではコロナ禍後の学術集会としての新たな企画をいたします。
 まず、本学術集会では、子どもを同伴して学術集会プログラムに参加いただけるように準備しています。これまでは子どもを自宅近くや学会場近くの保育施設に預けて学会に参加することが多かったように思いますが、今回の学術集会では託児所などは設けず、子どもと一緒にプログラムに参加していただきます。また、子どもの世話のケアをできるスペースとして、参加者と子どもが一緒に過ごしていただけるキッズコーナーを会場内に用意いたします。さらに、子どもに邪魔されず学術集会の内容をじっくりと学習したいというご希望に対して、ご家庭に戻られてじっくりと学習していただく機会を確保できるように、主な講演やアドバンス助産師研修プログラムは学会終了後にオンデマンド配信を行います。学術集会は研究発表や学術情報を交換する場所であると同時に、仲間同士で空間を共有することも重要な役目であり、本学会のミッションを考えますと、子どもが一緒に参加できるということは、当然ではないかと思います。
 次に、2023年10月からスタートします公益社団法人日本母性衛生学会特化専門分野認定制度「日本母性衛生学会エビデンス・ベースト・プラクテショナー(JSMHEBP)」の研修を開始します。この認定制度では、本学会に所属する母子保健およびリプロダクティブヘルスに関わる会員の皆さまに対して、①周産期メンタルヘルス分野、②周産期フィジカルヘルス分野、③周産期ハイリスク分野、④リプロダクティブヘルス分野の4つの特化専門分野の研究と実践を包含できる能力を認定する制度です。多職種の学会員で構成される本学会ならではの認定制度ですので、積極的なご参加をお待ちしています。

 学術集会を担当することが決定して私が最初に行ったのは、当時の状況で確実に会場に来ていただける先生方に特別講演や教育講演のお願いをすることでした。見通しのない状況にも関わらず、素晴らしい先生方に講演をお引き受けいただき心から感謝申し上げます。特別講演や教育講演以外にも面白いプログラムが出来上がりましたので、学会員の皆さまのみならず非学会員の医療職の皆さまや学生の皆さまとお誘いあわせの上、ご参加いただければ幸いです。また、当日に現地でのご参加が難しい皆さまにも、オンデマンド配信で主要な講演とアドバンス助産師研修プログラムをご提供いたしますので、奮ってご参加をお願い申し上げます。

 2023年10月に大阪でお待ちしております。

2023年6月吉日