ご挨拶/第64回日本核医学会学術総会
第64回日本核医学会学術総会
会長 橋本 順
(東海大学医学部専門診療学系画像診断学)
このたび第64回日本核医学会学術総会を主催させていただくことになりました。東海大学医学部専門診療学系画像診断学の橋本 順と申します。第64回日本核医学会学術総会は、森 一晃先生が大会長を務められる第44回日本核医学技術学会総会学術大会との共同開催により、2024年11月7日から9日まで横浜市のパシフィコ横浜会議センターならびに展示ホールAで行われます。
総会の全体テーマは“築く・繋ぐ・核医学 Nuclear Medicine -Creation and Communication-”です。いろいろな領域の方々がたがいに手を取りながら核医学を通じて新しい知見を築いていくという意味で、横浜の街を繋ぐエアキャビンをモチーフにしたポスターを作成しました。
最近の核医学診療は、近未来への大きな変貌に向かって動き出した時期にあると感じています。先日、アルツハイマー型認知症の治療に疾患修飾薬が日本でも承認されたとのニュースが届きました。核医学関係者の切なる願いでもあるアミロイドPETの保険収載がいよいよ現実のものとなりつつあり、タウイメージングも含めたPETによる認知症診療の今後に大いに期待が持たれます。PET用の腫瘍イメージング剤である68Ga-PSMAやFAPI、あるいは心筋血流イメージング剤の18F-flurpiridazの高画質や優れた診断能には大変驚かされ、神経内分泌腫瘍や前立腺癌などの核医学治療も今大きく動き出そうとしています。また疾患概念の新しい展開や治療法の進歩に伴い、既存の検査の新しい可能性も注目され、例えばピロリン酸シンチグラフィによる心アミロイドーシスの診断、123I-BMIPPによる中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)の診断、iPS細胞を用いた心筋再生医療のモニタリングにおける心筋血流SPECTの利用など話題に事欠きません。参加された方々がこのような核医学の新しい風を感じ取っていただけるような総会となるよう、企画に尽力したいと考えております。
日本核医学会は1964年11月に創設され、総会が開催される2024年11月で60周年を迎えます。また奇しくも会長であるわたし自身も学会と同じ1964年生まれで60歳になります。この区切りのときに核医学や学会の将来に思いを馳せ、横浜に集まって熱く語り合いたいと思います。すがすがしい秋に、美しい港町横浜でお目にかかるのを楽しみにしております。