第24回日本再生医療学会総会
会長 中村 雅也
慶應義塾大学医学部 整形外科学教室 教授
第24回日本再生医療学会総会の会長を務めます、慶應義塾大学の中村雅也と申します。
第24回総会は2025年3月20日(木)~22日(土)の3日間、パシフィコ横浜ノースで開催予定です。テーマは、“Passion, Vision, Action ―実学としての再生医療― ”とさせていただきました。
ご存じの通り、日本を含む多くの国々が超高齢社会に突入し、健康寿命の延伸に向けて再生医療が果たすべき役割は益々大きくなってきています。その役割を果たすうえで、病気に苦しむ患者さんを何とか治したいとの思い(passion)が大切だと思います。そしてその思いを達成するためには、未来のあるべき姿(vision)を描き、共有することが重要だと思います。日本再生医療学会は2001 年に発足し、この20数年間で再生医療は、体性幹細胞、ヒトES 細胞、ヒトiPS 細胞の樹立と目覚ましい発展を遂げてきました。さらにこれらの細胞を用いた臨床研究や治験が開始され、大きな注目を集めています。しかしその一方で、これらの成果を社会実装するうえで、様々な課題が山積しているのも事実です。これらの課題を克服するためにも、多様なステークホルダーを巻き込みながら、私たちは具体的な行動(action)を起こさなければなりません。それは、基礎研究、臨床研究、医工連携、文理融合などの異分野融合研究かもしれません。
福沢諭吉は「実学」という考えを提唱し、学問を実社会での実用に結びつけることで、社会貢献を通じて、国家や社会の発展に寄与することを目指しました。本総会が、実学としての再生医療を開花させるために、passionを持った多様なステークホルダーが一堂に会し、未来のあるべき再生医療のvisionをともに描きながら、熱い議論を交わせる場となることを切に願っております。
© 2024 The 24th Congress of the Japanese Society
for Regenerative Medicine