会長挨拶

 日本生殖医学会の大事業であったIFFS・JSRM2025が盛会裏に終了し、主催者の一人として安堵しているところでございますが、第71回日本生殖医学会学術講演会のご案内をさせていただきます。
 本邦初の体外受精・胚移植による妊娠例を東北大学鈴木雅洲先生が本会でご発表された昭和58年、私は東北大学の2年生でした。 卒業後、東北大学産婦人科でご活躍していた沢山の碩学からのご薫陶に恵まれ生殖医学の臨床と研究に励んでまいりました。 2010年に移動した秋田大学産婦人科ではヒト胚を用いた研究をしてまいりました。
 この度、当学会の学術講演会長にご指名いただき皆さまに感謝申し上げます。
学術講演会のテーマは「生殖医学から生命を考える」といたしました。 ヒトや実験動物の配偶子・胚と自ら接してきて常に感じてきたことはそれらの美しさと逞しさです。 なくならない生命の継代に営まれる深く美しい事象を捉え、英知を尽くし臨床医学に還元してゆくことはまさしく、「生命を考える」ことであります。 ご参加くださる皆様が様々な切り口から生命について考えてくださる場所となることを目指して準備をしてまいります。
 会場として県民会館から新装オープンした「秋田芸術劇場ミルハス」とその周辺施設を使用させていただきます。 11月初旬の秋田はさわやかな秋空が広がり、秋田杉を内装にふんだんに使用した快適な会場で皆さまによき学びを得ていただきたいと祈念しております。
 主催者として唯一心配なのが、皆さまの交通と宿泊の確保です。 今後、それに関するご留意いただきたい事項および学術講演会や秋田について逐次情報発信をしてまいりますのでよろしくお願いいたします。

第71回日本生殖医学会学術講演会 会長
秋田大学大学院医学系研究科 産婦人科学講座教授
寺田幸弘