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京都大学大学院 医学研究科
放射線腫瘍学・画像応用治療学

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ご挨拶

会長

第34回日本定位放射線治療学会
会長 溝脇 尚志
京都大学大学院医学研究科 放射線腫瘍学・画像応用治療学 教授

この度、2025年6月6日に第34回日本定位放射線治療学会をTKPガーデンシティ京都タワーホテルにて開催させて頂く運びとなり大変光栄に存じます。

さて、定位放射線治療は、長い歴史を持つ伝統的な通常分割照射とは全く異なるアプローチによる放射線治療です。通常分割照射では、正常細胞と腫瘍細胞間の放射線感受性の差を利用して、発生母体の臓器・組織を温存しつつ腫瘍の制御を目指します。一方、古典的な定位放射線治療は、小病変をターゲットとすることによる体積効果を利用し、1回大線量かつ少数回に分割して焼灼照射する手術に近い考え方に基づいた放射線治療です。

このため、定位放射線治療の黎明期から普及初期におきましては、放射線腫瘍医は、慣れ親しんだ通常分割照射の経験に引きずられ、大きいマージン設定や平坦な線量分布などの最適とは言えない治療計画を立案することがあった一方、脳神経外科医は、手術と同様に考えて、リスク臓器の積算線量を配慮しない複数回の照射や放射線腫瘍学的に通常分割照射がより適切な病変に対しても定位放射線治療を実施することが散見されました。しかし、現在では、定位放射線治療に関するお互いの正しい理解が進んだ結果、先述の問題は解消されつつあります。この点における定位放射線治療学会の貢献は多大であったことは言を待ちません。

さて、現在では、画像誘導放射線治療装置や高精度照射技術の進歩により、通常分割照射と古典的な定位放射線治療の両方の要素を持つ中間的なアプローチや、通常分割照射による定位放射線治療も日常臨床で実施可能となり、定位放射線治療の受け持つ範囲は急速に拡大しました。このような状況におきましては、通常分割照射や古典的な定位放射線治療の豊富な経験を改めて見直し咀嚼したうえで、新展開を図りつつ新たな知見の集積を行うことが重要であります。このような観点から、本学術大会のテーマを「定位放射線治療の新展開と温故知新」とさせていただきました。

皆様方におかれましては、是非本学術大会に多数ご参加いただき、熱いディスカッションを交わしていただきますようお願い申し上げます。その結果として、本学術大会が定位放射線治療のさらなる発展に寄与できますことを切に願っております。