大会長挨拶

第25回日本心不全学会学術集会
大会長 伊藤 浩
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学 教授

大会長挨拶《第3報》2021年8月2日

新型コロナ感染の急拡大を鑑み、参加者の安全を優先するために第25回日本心不全学会学術集会は完全オンライン開催といたします。座長、演者の先生方、併催する研究会の関係者の皆様、そして共催企業におかれましては開催形式に関して不安を抱かれていたと思いますが、この決定が皆様の安心につながれば幸いです。

学術集会は自由な意見を交換できる創造的な空間です。オンライン開催であってもそれが実現できるように努力して参ります。一般演題、ポスター発表、症例検討に関しても活発な討論ができる工夫を考えております。完全オンライン開催の利点を最大限に活かして、より多くの方が参加できるような魅力的な学術集会になるように尽力して参りますので、ご理解ご協力をよろしくお願いいたします。

大会長挨拶《第2報》2021年6月28日

第25回日本心不全学会学術集会(2021年10月1日(金)~3日(日))@岡山が近づいてきました。ワクチン接種も医療従事者から高齢者そして一般人にも進んでいますので、感染拡大防止をしつつオンサイトでの開催を目指しています。新しい心不全治療薬が続々と市販され、薬物治療が新たな段階に入りました。新しい心不全治療薬はどのような機序で効くのか、どのような患者に有効なのか、本音の議論を行うセッシションを多く作りました。症例は勉強になります。症例検討のセッションにはディスカッサントを配してより深く建設的な議論ができるようにしました。心不全学会の特徴は医師とメディカルスタッフが一緒に議論できる場であるということです。超高齢あるいは重症心不全患者を多職種チームとしてどう診療すべきか、ACPや緩和医療も含めて熱い議論をできるセッションを設けました。遠距離あるいは仕事の都合で参加できない人向けに教育的な内容の3会場に関してはWEB配信をしていますのでご視聴いただければ幸いです。

学会は創造的な非日常空間であることを忘れてはなりません。会場に限らず、廊下、ホール、展示場など様々なところで交流が生まれ議論が生まれます。現地でお会いできることを楽しみにしています。

大会長挨拶

第25回日本心不全学会学術集会を、2021年10月1日(金)から3日(日)まで3日間にわたり、岡山コンベンションセンターを中心とした岡山駅周辺の4施設を会場としたオンサイトとWEB配信を併用したハイブリッド形式で開催いたします。WEB配信を併用するのは、遠距離で行くことができない、仕事場を離れにくいなどの理由で来場できないものの心不全のup to dateを勉強したいという多くの声に応えるためでもあります。

テーマは「総力を結集して心不全パンデミックに立ち向かう」です。心不全患者、それも高齢心不全患者が増加しており、その傾向は近年ますます顕著になっています。治療目標も生命予後の改善だけではなく、QOLの維持や再入院予防が強調されるようになってきました。そして、様々な心疾患の最終像である心不全患者に対応するためには、循環器医だけではなくかかりつけ医、メディカルスタッフ、製薬・デバイスメーカー、そして行政が一丸となる必要があります。

本学術集会においては、

① 心不全の分子的機序の解明と新薬の開発の現状と将来

② 低侵襲で患者の予後・QOLの改善に貢献できるデバイス開発の現状と将来

③ 臨床エビデンス構築とガイドラインに基づく治療をどのように推進させるか

④ 新しい領域である成人先天性心疾患やがん治療に伴う心不全への対応

⑤ 心臓リハビリテーションを急性期から退院後まで継続できるシステム構築

⑥ 超高齢あるいは重症心不全患者の入院期間を短縮し、再入院させないための急性期そして地域における医療体制の構築

⑦ 超高齢者や末期心不全患者における緩和ケア、終末期医療体制の構築
などのテーマに対して、最先端データを発表し、あるいは自施設のデータや経験を持ちより議論することで、心不全診療を一歩でも前進させることを目標としてます。

しかしながら、心不全患者の病態や合併症は様々であり、必ずしもガイドラインに則った治療がベストというわけではありません。複雑な病態を持つ心不全患者をどのように診断・治療したらよいかを症例ベースでエキスパートが討論する症例検討セッションは大いに参考になるでしょう。

心不全診療は決して医師だけで完結できるものではありません。看護師、理学療法士、臨床工学士、薬剤師、MSW、栄養士など各分野の専門家がその能力を存分に発揮し、診療に積極的にかかわること、まさしくチーム医療、を行うことで初めて推進できるものです。職種に関係なく参加し議論できることが本学会の強みです。新しく参加された方からは心不全には興味あるものの難しい、基礎から学びたい、という声をよく聞きます。そのような方のために基礎から学ぶことができる教育セッションを多く設けました。学会に参加していただければ心不全のプロになること請け合いです。

岡山は「晴れの国」、「フルーツ王国」と呼ばれています。秋の岡山は気候が穏やかで、おいしい農産物とともに瀬戸内海の海の幸そしてB級グルメに恵まれています。知識も満足そして、身も心もそしてお腹も満足する3日間になるものと確信しています。岡山でお会いできることを心よりお待ち申し上げます。

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