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会長挨拶

磯部 宏

第20回日本医療マネジメント学会学術総会
会長 磯部 宏
(KKR札幌医療センター病院長)

クリティカルパスと出会ったのは、ほぼ20年前のことです。ようやく悪性腫瘍の病名告知が日常臨床で行われつつあった時です。肺癌治療を専門としており、肺癌と病名告知した患者の不安を少しでも解消しようと、いくつかの取り組みを行いました。その一つが診療経過、特に抗癌剤治療の流れを時系列で示したスケジュール表をお渡しすることでした。ほとんど全ての患者が極めて好意的に受け取り活用してくれました。これが患者用クリティカルパスの原型であることを後に気付きました。これは役に立つと自画自賛し、このような活動を他にも行っている方々がいるのだろうかと探していた時、日本医療マネジメント学会と出会いました。これが私と本学会との最初の出会いです。しかし、出会いのタイミングは少し遅かったようで、既に第1回学術総会の演題募集締切は過ぎておりました。それから症例数を整えて、翌年の第2回学術総会に発表演題を持って熊本に乗り込みました。それ以降、クリティカルパスはもちろん、医療安全や地域連携を本学会で学んできました。

比較的速やかに病名告知やクリティカルパスによる診療計画を受け入れてくれた患者の背景には何があったのでしょうか。一つには私達医療者への信頼があったからだと思います。信頼なくしてこの診療計画に身を委ねることなどあり得ないでしょう。「信頼できる職業は?」という各種アンケート調査では、医療者は常に上位にランクされております。私達医療者はこれからもこの信頼をしっかり勝ち取り続けなければなりません。また、患者・家族からの信頼だけでなく、医療者同士の人間関係にもこの信頼は大切です。全ての医療マネジメントには良好な人間関係が必要であり、その良き人間関係は信頼があってからこそと思います。多職種が織りなす医療マネジメントにおいて、お互いの信頼は極めて重要な要素と考えます。

第20回日本医療マネジメント学会学術総会を2018年6月に札幌市で開催いたします。札幌市では第12回以来の8年ぶり2回目の開催となります。信頼を縦糸に、本学会活動の柱であるクリティカルパス、医療安全、医療連携、さらに加えて医療倫理を横糸に、医療・介護の強いチーム力が織りなす学術総会を目指したいと考えております。6月は北海道の最も良い季節であり、札幌市内全域で繰り広げられる“よさこいソーラン祭り”が開催される時期であります。皆さまのお越しをお待ちしております。