第127回日本眼科学会総会

ご挨拶

第127回日本眼科学会総会 「みる」を究める に寄せて

相原  一
第127回日本眼科学会総会
総会長 相原  一
東京大学医学部眼科学教室 教授

第127回日本眼科学会総会は主管校として東京大学が担当し、東京国際フォーラムで開催させていただくことになりました。本総会の総会長を私が務めさせていただき、副総会長は東京都眼科医会会長の福田敏雅先生に、プログラム委員長には国際医療福祉大学の臼井智彦先生にお願いしております。本総会を開催するにあたり、日本眼科学会の理事、監事、評議員、会員ならびに日本眼科医会の会員の皆様に心から感謝申し上げます。加えて、日本眼科学会事務局の方々、東京都眼科医会の先生方、東京大学医学部眼科同窓会の先生方、そしてご協力いただきます多数の関連企業に深く感謝申し上げます。

第127回日本眼科学会総会の学会テーマは 「みる」を究める です。私は眼科医になる以前より色々な「もののみかた」に関心を持ってきました。生きていくために必要な「視る」能力から、意識的に自ら判断して「見る」学習力、疑問を持って「観る」探究心や創造力、を養うことが大事だと、健康な眼と教育から学びました。また、昔からの趣味である好きな昆虫や植物、写真を通じて多くの「もののみかた」を知りました。大学教育から医師を通じて、医者として「診る」医術を学び、患者の立場、意向に沿って「看る」事の大切さを教わりました。そして、多くの人や組織、社会を通じて広い視野視点でものごとを「覧る」ことの大切さを認識しています。このように本来の視覚を通じて、同じものを視ていても見方感じ方が異なります。日本語の「みる」には概念的な側面からから科学的、社会的な面まで多くの意味があり、我々学会員は「みる」の根源である視機能の基礎と臨床に携わり、その仕事を通してこの「みる」ことの大切さを皆に伝え、そしてそれを守る立場にあります。眼科医療、眼科研究を通じて、グローバルかつダイバーシティに富んだバランスの良い「もののみかた」を続けて患者、社会に貢献できるように、と考えて、「みる」を究める、をコンセプトに学会を運営させて頂く所存です。

特別講演として、飯田知弘先生(東京女子医科大学主任教授)と村田敏規先生(信州大学教授)に網膜の基礎臨床研究を通して「みる」の面白さを伝えて頂きます。招待講演にDevers Eye Institute大学の Claude F. Burgoyne先生と東京大学、北里大学名誉教授の養老孟司先生をお招きしています。Burgoyne先生には緑内障の本態である視神経乳頭篩状板の病態学をお話し頂きます。私と同じく昆虫大好きな養老先生の御講演は乞うご期待!鋭い視点からの「もののみかた」のお話しを頂きます。
評議員会指名講演では「炎症・感染とこれからの眼科診療」をテーマに、武田 篤信先生(九州大学)楠原仙太郎先生(神戸大学)丸山 和一先生(大阪大学)にお話し頂きます。プログラム委員会に企画していただきました 15のシンポジウム、8つの教育セミナーは、各分野のcutting edgeと基礎から臨床までの教育的内容を取り上げています。さらに、総会長シンポジウムでは、学会のテーマに関連して「みる」をささえる聴覚・嗅覚・味覚・平衡覚と感覚を支えるグリア細胞の点から、五感の科学最前線として、最新の研究を紹介します。また、「みる」仕組みを究める、「みる」ための脂質―脂質からみた眼のしくみ、「みる」を支える臨床疫学―ニューノーマル時代の眼科診療、の4本立てで、基礎から臨床社会医学までを網羅するセッションを組みました。

新型コロナを耐え忍ぶ時期は過ぎ、共に生きる時代になってきました。現地開催で行う予定でおりますが、新型コロナ下の行動変容で進んだオンライン配信ツールなどの積極的なICTの活用は、今後の働き方改革、グローバル、ダイバーシティの時代には欠かせないものとなりました。学会は議論が重要ですから、シンポジウム、一般講演はもちろん、学術講演でもe-posterでの配信と対面での講演を行っていただき、多数の海外演者もライブで講演に参加して頂き、現地参加と変わらない積極的な議論の場を提供できるように準備します。

従って、学会の開催形態については、基本的に現地開催+海外演者オンライン参加であり、後ほど現地録画のオンデマンド配信、となる予定です。第一会場以外ライブ配信は致しませんので、是非とも会場におこし頂き、実際に 「みる」世界を体験して頂きたいと思います。開催時期の新型コロナの感染状況は全く不透明ですが、今までに培った経験を生かし、十分な感染拡大予防対策を講じ、安全な学会運営に十分な配慮をいたします。皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。何卒よろしくお願い申し上げます。

テーマコンセプトについて

コンセプト

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