会長挨拶

HOME

  |  

会長挨拶

Message

会長挨拶
第61回 日本移植学会総会
会長 小林 孝彰
愛知医科大学
外科学講座(腎移植外科)

日本移植学会会員の皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。第61回日本移植学会総会を名古屋市(ウインクあいち)で2025年10月9日(木)から11日(土)まで開催いたします。テーマは「新たなる挑戦 超えよう!飛び出そう!弾けよう!」です。

本総会(学術集会)を構成する上で考慮したポイントとして、4つあります。

(1)移植医療の根幹をなす臓器提供、コーディネーター:脳死臓器提供が可能になっても、二十数年間で思うような結果は得られておりません。生体を含め移植医療の基盤となる方々に医療現場の課題、将来に向けての討論の場をご用意いたしました。

(2)人材育成:現在、移植医療そのものが停滞しており、関連部門に入る若手が減少しております。学生、研修医、専攻医など、専門を決める前の方々に、移植医療の魅力を伝え、将来この領域に関わっていただきたいという思いから、参加費を無料にしております。そして、若手移植医を含む方々にも、移植医療に携わる先輩方の情熱を感じていただきたく、移植基礎講座、ハンズオンセミナー(拡大鏡、顕微鏡を使用した縫合実習)、海外留学中の方とのZoomでChatなどを企画しております。

(3)政策的に解決すべき喫緊の課題:そして、話題になっている事案、他分野との協同について、皆で現状を把握し、方向性について考えていただきたいと思っております。必要に応じて厚労省の参加もお願いしております。

(4)将来に向けて:海外の移植学会との明確な違いがございます。海外では、機械灌流、cell free DNA関連企業のサポートが目立っており、臨床応用が盛んになっております。異種移植の臨床応用、副(共)刺激経路ブロックの開発など少しでも海外の状況をご理解いただきたく、シンポジウムを企画しました。また、研究領域のネットワーク不足を痛感しており、基礎研究者をお招きし、同じ部屋で5時間続けて、討論し、親睦を深める場も設けております。

今回は、私どもも新たなる挑戦として、新企画を多数設けました。その分、皆様の興味のある専門領域の内容が少なくなっているかもしれませんが、普段聞くことのない他領域の現状をご理解いただく良い機会であると思って、セッションにご参加いただきたいと思います。

特別講演には、藤井聡太七冠の師匠である杉本昌隆八段をお招きしております。ビリギャルの母、橘こころさんの講演もございます。ともに、人材育成をテーマとしてお話しいただきます。招待講演として、河合達郎先生(MGH、アメリカ)には遺伝子組換えブタを用いた異種腎移植の最新情報を、前TTS会長のElmi Muller先生(Univ. of Stellenbosch、南アフリカ)にはHIV陽性ドナーの臓器移植についてご講演がございます。その他に海外からは、Gilles Blancho先生(Univ. of Nantes、フランス)、Robin Pierson先生(MGH、アメリカ)には、International Symposium1(Costimulation Blockade:CD80/86-CD28, CD40-CD154)で、Denke Pan 先生(Clonorgan Biotechnology Co. Ltd., 中国)、Hyunil Kim先生(Optipharm Inc., 韓国)、David Cooper先生(MGH、アメリカ)には、International Symposium2(Xenotransplantation)でお話しいただきます。臓器提供に関するシンポジウムでは、Evan Matshes先生 (NAAG Forensic、アメリカ)が検視/司法解剖の問題、Thomas Nakagawa 先生(Univ. of Florida、アメリカ)が、被虐待児の問題についてのお話がございます。

市民公開講座では、医師でありミステリー作家でも有名な知念実希人先生のご講演の後、Z世代の若者に登壇いただき、皆様と一緒に臓器提供について考える企画を準備しております。

全員懇親会は、3kmぐらい学会会場から離れておりますが、“インスタ映え”で有名な久屋大通庭園フラリエにて、十分な席と食事、飲み物を準備しております。先着順でバス(行きのみ)も用意しておりますが、地下鉄、市バスでも行くことができますのでご利用ください。

参加者の皆様には、楽しんで、弾けるぐらい元気が出るように、企画、おもてなしを準備しておりますので、ご期待ください。総会の詳細な内容は、ホームページ、SNSで情報を提供していきます。さあ、飛び出す準備はよろしいでしょうか!皆様のご参加を心よりお待ちしております。

2025年8月18日

ページトップ