第75回東日本整形災害外科学会を、2026年9月3日(木)・4日(金)の2日間、ここ秋田の地にて開催させていただく運びとなりました。長い歴史をもつ本学会において、この度会長を務めさせていただきます、秋田大学整形外科学講座の宮腰尚久です。秋田は、四季折々に表情を変える山々、清澄な湖、豊かな水と緑に恵まれ、自然の息づかいを間近に感じられる土地です。このような秋田で皆様をお迎えできますことを、心より嬉しく思います。
秋田大学が本学術集会を担当するのは、佐藤光三教授、島田洋一教授に続き3回目となります。先達のお二人に続いて開催の機会をいただけたことは、私どもにとって大きな喜びであり、学術の継承と発展に尽くす責任を改めて感じております。
今回のテーマは「一視同仁~科学で議論する整形災害外科~」です。一視同仁とは、人を分け隔てなく平等に見つめる姿勢を指します。この理念のもと、多様な分野の話題を共有し、立場や専門の違いを越えて、科学的根拠に基づく建設的な議論を深めたいと考えております。
本学会は、整形外科の幅広い領域の専門家が一堂に会する貴重な場であり、専門外の領域に触れることで新たな視点を得られる機会でもあります。昨今、社会的関心が高まっているクマによる人身被害は、ここ秋田でも深刻であり、災害外科の観点からも重要な課題です。本学会では、このような獣害に関するテーマも取り上げ、議論を深めたいと考えております。
また、昨年に続き多職種連携を主要テーマとし、メディカルスタッフの皆様のセッションも設けます。医療の質を維持しつつ、医師の時間外労働が厳しく制限される現在、業務分担と協働は欠かせません。多職種連携は、医療における「一視同仁」の実現にも寄与するものです。
全国的な学会の開催地が限られる傾向が強まるなか、本学会は地方での開催が可能な貴重な学術集会です。秋田で学会が開催される機会は決して多くありません。ぜひこの機会にお越しいただき、昼は会場で議論を交わし、夜は秋田の美酒と郷土料理をご堪能ください。スポーツイベントとしてバスケットボールと駅伝も予定しておりますので、秋田で汗を流したい方もぜひご参加ください。また、各種の優秀演題賞も多数準備いたします。
最後に、本学会の開催にあたりご尽力いただいたすべての皆様に深く感謝申し上げます。本学会が、参加された皆様にとって刺激的で有意義な、記憶に残る会となりますことを祈念し、挨拶とさせていただきます。