第88回日本循環器学会学術集会 The 88th Annual Scientific Meeting of the Japanese Circulation Society

会長挨拶

第88回日本循環器学会学術集会 会長
平田 健一
神戸大学大学院医学研究科 内科学講座 循環器内科学分野 教授
(一般社団法人日本循環器学会 代表理事)

 第88回日本循環器学会学術集会を、2024年3月8日(金)~10日(日)の3日間、神戸国際会議場、神戸国際展示場、神戸ポートピアホテルにおいて開催させて頂くことになりました。日本循環器学会は1936年に設立されて以来88年目となり、現時点での正会員数が27,000名を超えるまでに大きく発展してきております。歴史ある学術集会の会長を務めさせていただくことを、大変光栄に存じます。
 学術集会は、多くの会員が一堂に会し、循環器学に関わる英知を集め、交流を深める上で大きな意義をもっています。しかし、コロナ禍の影響で、2019年以来オンライン中心や変更・縮小を余儀なくされることが多く、会員の相互交流や若手の発表機会に大きな支障が生じておりました。そこで、コロナ禍にようやく収束の兆しがみられ、感染症法上の位置付けが変わり、感染防止対策も緩和されている現状をふまえて、今回の学術集会は、神戸において対面での発表と活発な議論をして頂けるように準備を進めております。
 とはいっても、コロナ後の社会はコロナ前と同じではありません。我国は少子超高齢社会へと突き進み、疾病構造が大きく変化している上に、昨今COVID-19のような予期せぬ疾患によって国民の生活や生命が脅かされることも学びました。したがって、今回の学術集会は、単にコロナ前に戻るのではなく、学術集会の原点に立ち返って未来の循環器学へとつなげる契機となることを目指して、テーマを「未来につなげる循環器学-循環器病克服への挑戦-」と致しました。具体的には、これからの循環器学を担う医師、メディカルスタッフ、研究者の発表の機会を重視し、一般演題やモデレートポスターなどの充実を検討しております。また、脳卒中・循環器病対策基本法や循環器病対策推進基本計画を進めるために、行政や企業との連携をすすめ、患者・市民の参画も行う予定です。さらに、理学、工学、薬学などの学術分野との連携にも重点を置いた企画を検討中です。
 美甘レクチャーはJoseph C. Wu先生(Stanford University School of Medicine, USA)、真下記念講演は中釜 斉先生(国立がん研究センター)をお招きしご講演いただきます。
 会員の皆様におかれましては、2024年3月に神戸の会場において、学術集会の真髄である熱い議論と活発な交流を通して、私どもとともに循環器病克服に挑戦し、循環器学を未来につなげて頂きたいと思います。皆様と直接お目にかかることを心よりお待ち申し上げます。