会長挨拶
会長 石川 孝
(東京医科大学 乳腺科学分野)
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会は、形成外科と乳腺外科が協同して設立されて以来、すでに13年の歳月を重ねてまいりました。創設の契機となった乳房用エキスパンダー・インプラントの登録・管理や合併症の調査を中心に、さまざまな活動を展開し、乳がん患者の治療成績向上と外科手術の発展に大きく貢献してきたと思います。
しかし、乳房再建の普及や啓発という点では、なお十分とは言えず、特に地域による格差が課題となっています。また、乳房温存術の整容性をさらに高めるためには、依然として術式の改良の余地があります。近年では、低侵襲治療、内視鏡・ロボット手術、脂肪移植といった新しい治療法も登場しており、これらを今後どのように活用し、発展させていくべきかについても、さらなる議論が必要です。
形成外科と乳腺外科が互いの強みを融合させるという設立当初の精神は、オンコプラスティックサージャリーの未来を切り拓くうえで欠かせないものです。しかし近年、両分野の間にやや距離が生じているとの印象も否めません。我が国の乳房再建率はアジア諸国と比較しても十分とは言えず、この状況を改善するためには、両科が一堂に会して日本の乳房再建の現状を共有し、必要な改革点について議論することが不可欠であると考えています。このような思いから、本年度の学術総会テーマを「形成外科と乳腺外科の融合 – Bridging the Disciplines」といたしました。本総会を通じて、両専門領域の共通の使命を再確認し、協働をさらに深め、新たな展開が生まれる場となることを願っております。
今回は、品川駅の隣に新設された高輪ゲートウェイシティに会場を設けました。高輪ゲートウェイ駅に隣接する新しい都市空間で、これまでにない学会の雰囲気を楽しんでいただけることと思います。近未来的な雰囲気の中で、皆様に熱い議論を交わしていただけることを、心より期待しております。