第47回学術総会
サテライト・セミナー
「ICT・AI時代の高次脳機能障害」
 

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会長挨拶

第47回日本高次脳機能障害学会学術総会
会長 鈴木 匡子
東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学 教授

会長 鈴木匡子

このたび第47回日本高次脳機能障害学会学術総会を2023年10月28日(土)、29日(日)に仙台国際センターで開催させていただくことになりました。歴史ある学術総会の会長を拝命し、大変光栄に思っております。今回のテーマは「ひろがる つながる 高次脳機能障害」です。高次脳機能障害モデル事業から20余年が経ち、高次脳機能障害という言葉はだいぶ人口に膾炙してきました。高次脳機能障害に関わる人も徐々に増え、多くの方の努力によって関連する仕組み作りが進んできています。しかし、高次脳機能障害の解明や対応については、まだまだ道半ばと言えます。そこで、本学術総会では高次脳機能障害の「ひろがり」と「つながり」を見渡し、進むべき方向をあらためて考えるきっかけを作りたいと思っています。

「ひろがる」企画として、高次脳機能障害に関わる基礎的な研究と臨床的な研究の関係を見つめる「基礎からの視点、臨床からの視点」で、時間感覚、空間感覚、脳卒中治療を取り上げます。また、幅広い年齢を対象とする高次脳機能障害を「発達と加齢」の両面から見る企画として、自閉スペクトラム症の基礎と臨床、高齢者の高次脳機能とその障害・対応についてご講演いただきます。「つながる」企画としては「高次脳機能障害者を支える」ワークショップを予定しています。ワークショップでは当事者、医師、言語聴覚士、作業療法士、就労支援施設職員、福祉行政担当としてそれぞれのお立場でご活躍の方が一堂に会して、大いに語り合っていただくことになっています。臨床に役立ち、会員が「つながる」企画として、診断の難しい症候についての音声・動画セッションや、選りすぐりの症例検討も準備しています。しかし、何より大切なのは、多くの会員が日頃自分の温めている疑問や考えを一般演題として発表し、さまざまな意見を交わすことによって「つながる」ことだと思います。皆様の積極的なご参加をどうぞよろしくお願いいたします。

学術総会のポスターやホームページに使われている図案は、仙台に拠点のある障害者を中心とする芸術文化活動団体、アート・インクルージョンに参画しているなおきさんの「出航」という作品です。これからさらに広い海原に漕ぎ出そうとする会にふさわしい図柄と思い、使わせていただくことにしました。

よりよく「つながる」ために、学術総会は現地開催を予定しております。10月末の仙台は紅葉も始まり、そこまで寒くはない良い天候が続きます。仙台国際センターでの開催は第20回、第38回、第43回に続き4回目になりますが、ぜひお出でいただき、旧交を温め、新たな出会いの機会となることを願っております。なお、今後の新型コロナウイルスの感染状況によっては、開催方法の変更を考慮することもありますので、どうぞご了承ください。

会員の皆さまが「来てよかった」と思えるような会になるよう、鋭意準備を進めているところです。
みなさまと高次脳機能について語り合う2日間を共有できますよう、ご参加をお待ちしております。

2023年2月吉日