第48回日本高次脳機能学会学術総会(The 48th Annual Scientific Meeting of Japan Society for Higher Brain Function)

会長挨拶

第48回日本高次脳機能学会学術総会
会長 福井 俊哉
(横浜メディカルグループ かわさき記念病院 院長)
福井 俊哉 写真

このたび、第48回日本高次脳機能学会学術総会を2024年11月8日(金)~9日(土)、東京たま未来メッセで開催させていただくことになりました、かわさき記念病院の福井俊哉でございます。本会のような歴史のある学術総会を担当させていただくことは私にとってもかわさき記念病院にとっても大変光栄なことと存じます。会長は福井が、副会長は長濱康弘が務めさせていただきます。目下、当院心理室、事務、及び横浜メディカルグループ本部が一体となり鋭意準備を進めております。

さて、かわさき記念病院が認知症治療病院であることにちなみ、今回の学術総会のメインテーマを「認知症理解のための高次脳機能障害学」としました。一般的には高次脳機能障害と認知症を別枠で考えることが多いようですが、認知症の診断基準にもありますように、認知症は複合的な高次機能障害状態と考えられます。そこで、認知症の診断・治療に高次脳機能(障害)の理解が重要であるとの観点から次のようなプログラムを用意いたしました。

まず、Covid-19の束縛もなくなりましたので、招聘講演者としてUCSA Memory and Aging CenterのMarilu Gorno-Tempini先生をお招きしてご自身が提唱されているprimary progressive aphasia(PPA)について本邦初めて直接お話を伺うことになりました。教育講演として、「SNAP(アルツハイマー類似非アルツハイマー病理)を語る」、「精神疾患における”記憶障害” 」、「小脳認知情動症候群」、「認知機能に対する温泉効果」の4題を用意しました。シンポジウムでは「認知症疾患における諸症状を高次機能障害の立場から考える」とのサブテーマのもと、「前頭葉症状」、「記憶」、「幻覚・妄想」、「認知症見られる各種症状(転倒・嚥下障害など)の背景となる高次脳機能」、「古典的徴候の理解(alien hand sign, foreign accent syndromeなど)」、及び「PPA(英語セション)」の6シンポジウムを用意しそれぞれ4人に演者の先生方にご講演をお願いします。PPAセッションは当学会では数少ない英語セッションとし、Gorno Tempini先生及び同じくUCSAのBoon Lead Tee先生にもご講演いただきます。

一方、今後活躍される若い方を対象に、ミニレクチャーとして「いまさら聞けない認知症の諸症状」(手づかみで食べるのは「失行」のため?、なぜ時計の絵を正しく描けないのか?、など)として4演題を取り上げます。最後に、当学会の経験豊かな理事の先生方に、「皆にシェアしたいとっておきの症例・悩んだ症例」を選択して頂き、それぞれがご推薦される若い方に発表していただくセッションも用意いたしました。若年層の学会員の方々に高次機能と認知症の関係を理解していただく場を共有するとともに、学会における発表の楽しさをご理解いただくことを目的としています。

一般演題会場では毎年excitingな議論が交わされることは皆さんご存知の通りです。今回も多くの方々に興味深い症例や研究結果をご発表いただいて、一般演題会場を盛り上げましょう。

東京たま未来メッセ(https://www.tamaskc.metro.tokyo.lg.jp)は出来たばかりの新しい施設です。JR八王子駅から徒歩5分で周辺にもホテルが完備されています。JR八王子駅には、新宿から35分、新横浜から40分、羽田空港・浜松町駅・東京駅経由で80分で到着します。当学会では初めて総会を開催する都市になります。新鮮な感触を楽しんでいただければ幸いです。

より多くの方々が参加され、闊達な話し合いの場になりますことを期待しております。2024年11月に八王子でお目にかかれることを楽しみにしております。

学会総会事務局

横浜メディカルグループ
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