30th第30回日本遺伝性腫瘍学会学術集会

ご挨拶

第30回日本遺伝性腫瘍学会学術集会

会長 下平 秀樹

(東北医科薬科大学医学部 腫瘍内科学教室 教授)

下平 秀樹

 この度、第30回日本遺伝性腫瘍学会学術集会を、2024年5月31日(金)~6月1日(土)仙台国際センターにて開催させて頂くことになりました。30回という記念すべき学術集会であり、全国各地よりご参集の皆様方のご期待に応えるべく、準備を進めております。

 本学会は遺伝性腫瘍を対象とする専門性の強い学会として発足し、歴史を刻んできましたが、近年のがんゲノム医療の実装によりがん診療と遺伝診療の接点に位置する唯一無二のコミュニティに発展しています。本学会の提供する教育コンテンツや認定制度は現在のがんゲノム医療に必要とされる内容にマッチし、本学会によって構築される多職種によるネットワークは遺伝性腫瘍の診療やがんゲノム医療の課題を共有し改善していくために重要な役割を担っております。

 今回の学術集会のテーマは「更なる飛躍を目指して」と致しました。このテーマの「飛躍」には3つの願いが込められています。第一に30周年の節目の年を迎えた本学が、現在の上昇気流に乗ってさらに大きく飛躍することへの願いです。第二にようやくコロナ禍が明け、これまでの閉塞感を吹き飛ばして、社会全体が飛躍することへの願いです。そして、第三に東北での開催であり、東北地方が復興から発展へと飛躍してほしいという願いです。

 本学術集会では、遺伝性腫瘍の診療が、コンパニオン診断としての遺伝学的検査やがんゲノム医療の普及、リスク低減手術の保険適用などにより大きく進歩した中で、様々な経験を共有し、見えてきた課題や今後の展望に関して議論したいと考えます。また、遺伝性腫瘍の基礎研究から臨床研究まで最新のトピックスを取り上げ、将来につながる有用な情報を発信致します。さらに、がん診療と遺伝診療の接点に位置する学会として、がんゲノム医療の今後の展望、遺伝子検査等をバイオマーカーとする新規薬剤の開発状況などに関しても幅広く取り上げていきたいと考えています。

 初夏の緑が美しい6月の仙台で、多くの皆様とお会いできますことを願っております。皆様の温かいご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。